お鍋の定番野菜、キクナ(春菊)。「春の菊」と書きますが、冬が旬です。独特の香りとほんのりとした苦味が魅力ですが、一方で、それが苦手という方も。また、鍋料理以外のおいしい食べ方を知りたい、というお声もよくいただきます。
そこで今回は、苦味をおさえる調理のコツや、和え物やチヂミといったバリエーション豊富なキクナのレシピをご紹介します。
Q:独特の香りと苦味が気になります
A:火を通し過ぎると苦味が強くなるので、サッと火を通すのがポイントです
好みが分かれるお野菜のひとつ、キクナ。独特の香りや苦味が気になって……という方もいらっしゃると思います。
キクナの苦味成分は、葉に多く含まれていて、火を通すと苦味が強くなります。そのため、生のままサラダに入れたり、火をサッと通すようにすると食べやすくなりますよ。
■茹で方のコツ
茎と葉を分け、茎から茹ではじめます。約1分茹でたら葉を加え、10秒ほどで火を止めます。
鍋料理に入れるときも、軽く火を通す程度がおすすめです。
■大葉
葉は肉厚でギザギザが少なく、丸みを帯びた形です。苦味や特有の香りが少ないので食べやすく、サラダにもおすすめ。
■中葉
葉はギザギザしていて、深い切れ込みがあるのが特徴。日本で最も多く栽培されている品種です。香りがよく、鍋料理やお浸し、天ぷらなど、火を通した料理で楽しまれています。
■小葉
中葉と同じく切れ込みは深いですが、さらに細かいギザギザのある葉。茎も細くて柔らかく、香りが強いのが特徴です。
Q:お鍋以外に、おいしい食べ方はありますか?
A:サラダや和え物、炒め物などもおすすめですよ
キクナの楽しみ方は、お鍋以外にもたくさん! アク抜きの必要がないので、料理好きの坂ノ途中スタッフは、そのままサラダや和え物、天ぷらにもするそうですよ。
ここでは、「坂ノ途中の編集室」から、おすすめのレシピをご紹介します。
■サラダや和え物で
きくな(春菊)とこんにゃくのサラダ
きくな(春菊)香るポテトサラダ
きくな(春菊)のくるみ和え
きくな(春菊)と切り干し大根の梅和え
きくな(春菊)と厚揚げのナッツ味噌和え
きくなと長ねぎとりんごのコチュジャン和え
■メインにも
かぼちゃときくな(春菊)のチーズかき揚げ
大根とさといも、きくな(春菊)のおでん
■お米と一緒に
きくな(春菊)の焼きおにぎりスープがけ
Q:保存方法を教えてください
A:鮮度が落ちるのが早いので、届いたら茎の切り口を濡らしたキッチンペーパーなどで包み、袋に入れて野菜室へ
すぐに使い切れない場合は、冷凍保存もできます。生のまま洗って水気を拭きとるか、塩茹でし、冷水にとって水気を絞ってから、使いやすい大きさに切って袋に入れてください。
Q:茎が太くて堅いものがありますが、食べられますか?
A:茎の部分を、ななめ、または縦に薄切りにすると食べやすいです
特に、旬が終わりを迎える春先になると、根元に近いほうの茎が太く、硬くなってきます。包丁で薄く切ってからお使いください。
Q:どうして「キクナ(春菊)」と書いているの?
A:坂ノ途中がある京都をはじめ、関西地方ではキクナ(菊菜)と呼ばれているからです
キクナも春菊も同じお野菜を指しますが、地方によって呼び方が違います。
関西地方での呼び方「キクナ(菊菜)」は、菊の葉に似ていることから。「春菊」は、菊の葉に似ていることに加えて、春に花が咲くことから。名付け方にもすこし違いがあって、おもしろいですね。ちなみに、キクナの花はマーガレットにそっくりで、とてもかわいらしいですよ。