
坂ノ途中の研究室とは?
研究室と言っても、白衣を着て試験管を見つめる化学的な研究ではなく、坂ノ途中の事業に関連する様々なデータを計測して世に発信していくリサーチチームです。また、そこで得られた知見を社会や生産者さんに還元したり、新規事業に活かしたりもする多面的な役割を持っています。
新規就農者さんのリアルに触れ続ける坂ノ途中だからこそ得られる知見を社会や生産者さんに還元することで、農業経営のハードルを下げていくことができるのではないか。海外事業「海ノ向こうコーヒー」でも、カーボンクレジットなど今までとは違う角度の知恵を持ち込むことでアグロフォレストリーの拡大を加速できるのではないか。野菜農家さんにもコーヒー農家さんにも、学びあいの機会を提供していきたい。また、そこで生まれた種を育てていくことで新しい事業や取り組みを芽吹かせたい。そんなことを考えています。

Theory Of Change
Theory Of Change(セオリー オブ チェンジ)とは、どのような社会課題に向き合い、誰にどのような事業を実施し、どのような変化を生み出すことで、目指す未来像へ近付けていくのかを示したものです。坂ノ途中の場合は、国内事業、海外事業、そして重なる中間部分の3つのラインを設けて整理をしました。最終アウトカム(目指す未来像)である、農業と暮らしの持続可能化に向けての変化をまとめています。さらに作って終わりではなく、今後はそれぞれのアウトカム(生み出したい変化)が本当に起こっているのかどうかをKPIを設定し計測し、事業の改善を重ねていきます。

坂ノ途中の報告書
研究室のはじまりの一歩として、「坂ノ途中の報告書 2021-2022」を作成しました。「自分たちの現在地を明らかにする」をテーマに編集を行い、改めて「100年先もつづく、農業を。」というビジョンに対する今の想い、そこに付随する3つのミッション、会社としてのあゆみなどをまとめました。国内事業・海外事業のパートでは、何をしているかだけでなく、向き合っている課題と着眼点、事業が与えている影響などをまとめました。よく、坂ノ途中は何をしている会社なのか分かりづらいと言われますが、私たちのことを少しでも理解していただく一助になればと思っています。
サステイナブルファーマーズラボ
生産者のみなさまと坂ノ途中がいっしょになって、あれこれ情報共有したり学びを深める場です。ゲストを招いて話を聞く会、坂ノ途中のお客さまに来ていただいて対話する会、生産者さん同士の座談会など、さまざまな企画を考えています。アンケートでいただいた声を踏まえて設計していこうと思っていますが、追加のリクエストも大歓迎です。
生産者さんと坂ノ途中の距離、そして生産者さん同士の距離をもっと縮めることで、新たな企画やアイデアの種が生まれることも期待しています。

プロジェクト
1. 提携農家さんへのアンケート実施
創業から13年間、厳しい新規就農の道を乗り越えて成長していく農家さんの姿も、うまくいかない姿もたくさん見てきました。私たちが関わっている農家さんのリアルを発信することで、自治体や企業の新規就農者支援がより良くなるきっかけを与えられないか。農家さんから見た坂ノ途中の存在意義を知ることで、新しい事業の可能性を探りたい。そんな思いで「新規就農のリアルと坂ノ途中ができることを探るための基礎調査」と題したアンケート調査を実施しました。373件に配布し156件(42%)の回答が集まりました。
→アンケート結果のまとめを見る

2. 坂ノ途中のデータを提携農家さんへ還元
農家さんと私たちが持っている情報を農家さん積極的にフィードバックしていくべきだ、ということがアンケート調査の結果からも見えてきました。まず取り組んだのは、取引を通じて集まった需給データを開示することです。いつ何を作るかの検討材料にならないだろうか?農家さんともっとスムーズなコミュニケーションを促すツールにならないだろうか?といったことを農家さんとも話し合いながら進めています。

3.新規事業開発
農産物を販売する以外にも私たちができることがありそうだ。坂ノ途中が持っているデータやリサーチから得られた知見を活用して、有機農業の営農ハードルを下げるあれこれができないだろうか。新規事業開発はこうした想いから始まりました。新規事業にチャレンジする中で、坂ノ途中のバリューチェーンの改善やリサーチとの相互作用も期待しています。

今後に向けて
坂ノ途中の研究室はまだ発展途上で、数年後には今と全く違う役割を担っているかもしれません。坂ノ途中が目指す「農業と暮らしの持続可能化」に向けて進化しつつ、その過程をみなさんにも共有して一緒に取り組みを進められたらと思っています。活動に今後もご注目いただけたら幸いです。