華やかに香る黄熟梅でつくる梅シロップのレシピを、和歌山県田辺市で梅を育てる、〈田辺印の会〉の宇田川啓太さんに教えてもらいました。
農家さんより
完熟(黄熟)梅でシロップを作ると、梅の華やかな香りが強く出ます。また、梅の品種によって香りが少しずつ変わってきます。南高梅はバラのような華やかさが強く、小梅はいちごジャムのような甘い香りが感じられます。橙高はその中間でしょうか。
エキスを早く出すために、一度冷凍するつくり方をおすすめします。凍らせた梅と砂糖を層状に何度も重ねるよう漬け込むと、3日くらいでエキスが上まで上がってきます。底に砂糖が溶け残ってしまう場合は、定期的に菜箸などでかき混ぜるようにするときれいに溶けます。砂糖が完全に溶けたら完成です。
発酵させてしまうという相談をよく受けます。何かの条件で微生物が活性化しやすいのだと思います。発酵を防ぎたい場合は、漬け込む際、梅の実に焼酎などのアルコールかお酢をなじませてから漬け込むといいですよ。
材料
南高梅(黄熟) 1kg
きび砂糖 1kg
下準備
・梅の下準備
梅は洗って水気をよく切ります。
ヘタが気になる場合は、爪楊枝などで取り除きます。
「ヘタ取りは僕はしません。さっと洗うだけ。とりたい方はとっても大丈夫です」と宇田川さん。
手間がかかり、小さなキズなどから傷むリスクもあるためだそうです。
梅をジッパー付き保存袋に入れ、冷凍庫でひと晩凍らせます。


保存瓶の消毒
煮沸またはアルコールで瓶を消毒して清潔にします。
※瓶に熱湯をかけると割れることがあるのでご注意ください
・煮沸消毒
鍋にふきんを敷き、瓶をその上にのせます。容器が浸かるまで水を入れます。水から沸かし、沸騰後3~5分で火を止めます。やけどに注意しながら、トングや鍋つかみを使って瓶を取り出します。乾いたふきんの上に置き、水気をよく切ります。
・アルコール消毒
瓶をよく洗い、口を下にして乾かします。完全に乾いたら、消毒用アルコールを吹きかけ、清潔なふきんまたはキッチンペーパーでふき取ります。
つくり方
1)梅と砂糖を交互に瓶に入れます。いちばん上が砂糖になるようにします。

2)日の当たらない冷暗所に置いて熟成させます。砂糖が底に溜まってしまう場合は、瓶をゆするか、菜箸でかき混ぜると、砂糖が溶けやすくなります。
約1か月後から飲むことができますが、飲みごろは3か月以降。
梅の実は、長く入れたままにしておくと渋みが出てしまうため、シロップに梅の風味が移ったら取り出します。
レシピを教えてくれた農家さん|田辺印の会・宇田川啓太さん
紀伊半島の中南部に位置する田辺市は、「南高梅」で有名な和歌山県のなかでも有数の梅の産地。
宇田川さんの畑があるのは海から10kmほど離れた山側の地域で、海側の産地とくらべると、気温が低く収穫時期が遅かったり、足場が斜面になって作業性が悪かったりと、不利になることもあります。
「けれど、梅を育てるうえで、優れていることがひとつあるんです」
宇田川さんは、そう教えてくれました。
それは、周囲に山林が広がり、生物多様性に恵まれていること。
たとえ梅の木にとって害となる虫がいたとしても、近くにはその天敵がいる。だから、多くの農薬を使わなくても、ある害虫が一気に増えるということはそうないといいます。
山の斜面を歩き、畑に植わる400本の梅の木を見て回る宇田川さん。土に肥料を与えたり、枝の剪定をしたり、伸びた草を刈ったり、自然に寄り添いながら、梅の実がすこやかに育つよう、手助けをしています。
▼梅しごとのご準備はこちらから




