ラオスのコーヒーといえば南部のボラベン高原が有名ですが、坂ノ途中がお届けするのは北部の古都ルアンパバーンからさらに奥地──車で3時間、標高1,000メートルを超える山岳地域で暮らす小農家さんの作るコーヒーです。
生産量が非常に少なく、日本への輸出もごくわずか。まだまだ、出会う機会は少ないです。
森がゆっくりと育てた味わい
この地域では、「アグロフォレストリー(森をつくる農業)」という農法でコーヒーが栽培されています。木を伐採して農地を広げるのではなく、木々のあいだにコーヒーを植え、自然の木漏れ日のなかで、じっくりと実を育てます。
コーヒーは、もともと日陰を好む植物です。強い直射日光のもとで育てると成長は早まりますが、実が急いで熟してしまうため、風味や甘みのもととなる成分が十分に蓄積されないまま、収穫を迎えることになります。一方、シェードツリー(日陰をつくる樹木)に守られながら熟したコーヒーチェリーは、ゆっくり時間をかけることで糖分と有機酸のバランスが整い、複雑で豊かな風味が生まれます。
また、シェードツリーから落ちる枯れ葉が土に還ることで、豊かな腐葉土となり、コーヒーの木の根に栄養を届けます。化学肥料に頼らずとも、森そのものが、豊かな土壌を育ててくれるのです。
この地域の農家さんたちは、農薬を使用していません。生活のなかで手に入るお酢やタバコの葉、レモン果汁を煮詰めた手製の虫よけを使って木を守り、森に負担をかけない自然な管理を行っています。そうしてようやく結実した完熟の赤い実だけを、一粒ずつ丁寧に手摘みで収穫します。機械による大量収穫ができないからこそ、そのひと手間ひと手間が、深い味わいとなって宿っています。

ビターチョコと、きび砂糖のような甘み
焙煎は、そんな豆の魅力を引き出す「中深煎り」です。口に含むと、まずビターチョコレートのような深いコクが広がり、続いてきび砂糖のようなやさしい甘みが感じられます。後味はすっきりとしていて、重さを感じさせません。
自然のペースに寄り添い、じっくり育まれた奥深い味わい。ひとくち含むと、カップの向こうに心地よい木漏れ日がふわりと浮かんでくるようです。少しずつ冷めていくなかで、甘みがより輪郭を帯びていくのもこのコーヒーの楽しみのひとつです。
ロールケーキやシュークリームなど、ミルクを使ったスイーツとの相性抜群です。ブラックでもミルクを加えても、どちらでも美味しくお召し上がりいただけます。ほっとひと息つくリラックスタイムのおともにどうぞ。





