芋煮は、東北地方の郷土料理。
秋には屋外で大きな鍋を囲む「芋煮会」が各地で行われます。
味つけは地域によってさまざま。
庄内風はみそ味に豚肉、内陸風はしょうゆベースに牛肉を用いるなど、それぞれのかたちが受け継がれています。
山形で暮らしていた経験のあるスタッフ原田に、芋煮のつくり方を教えてもらいました。

芋煮鍋(庄内風・みそ味)

◆材料(4人分)
さといも 400g
豚バラ肉 150g
厚揚げ 150g
こんにゃく 150g
青ねぎ 100g
ごぼう 100g
にんじん 100g
まいたけ 100g
みそ 大さじ5
酒粕 30g
干ししいたけ 15g
煮干し 15g
昆布 5cm角1枚

七味とうがらし 適宜

◆下準備
干ししいたけは軽く洗い、ボウルに入れ、水100mlを注いで落しぶたのようにラップをします。冷蔵庫に半日~1日以上おいて戻します。

◆つくり方
1)さといもは皮をむいて半分に切ります。塩をふってもみ、水で洗って水気を切ります。
にんじんは半月に、ごぼうはささがきに、青ねぎは斜めに切ります。豚バラ肉はひと口大に切ります。まいたけは石づきを除いて小房に分けます。

2)厚揚げは熱湯でサッとゆでて油抜きし、ひと口大に切ります。こんにゃくはスプーンなどでひと口大にちぎります。塩をふってもみ、水で洗って水気を切ります。

3)干ししいたけをボウルから取り出し、 軸を除いてひと口大に切ります。戻し汁はとっておきます。

4)煮干しは頭とはらわたを除き、お茶パックに入れます。

5)鍋に水1.2L、干ししいたけの戻し汁、さといも、こんにゃく、ごぼう、にんじん、干ししいたけ、煮干し、昆布を入れて火にかけます。沸騰したら弱火にし、蓋をしてさといもが柔らかくるまで煮ます。

6)豚バラ肉、厚揚げ、まいたけを加えます。豚バラ肉に火が通ったら、みそと酒粕を加えます。

7)青ねぎを加えて火を止めます。蓋をして余熱で火を通します。塩で味を調えます。

8)器に盛り、七味とうがらしをふります。


芋煮鍋(内陸風・しょうゆ味)

◆材料(4人分)
さといも 400g
牛こま切れ肉 200g
木綿豆腐 175g(約1/2丁)
こんにゃく 150g
ごぼう 100g
きのこ(しめじ、まいたけ、なめこなど) 合わせて200g
※今回ははたけしめじ、まいたけを使いました。
長ねぎ 100g
昆布 5cm角1枚
かつお節 10g
しょうゆ

みりん 大さじ1
砂糖 大さじ1

七味とうがらし  適宜

◆つくり方
1)さといもは皮をむきます。塩をふってもみ、水で洗って水気を切ります。牛こま切れ肉はひと口大に切ります。ごぼうはささがきに、長ねぎは斜めに切ります。きのこは石づきを除いて小房に分けます。

2)木綿豆腐は軽く水気を切り、ひと口大にちぎります。こんにゃくはスプーンなどでひと口大にちぎります。塩をふってもみ、水で洗って水気を切ります。かつお節はお茶パックに入れます。

3)小鍋に牛こま切れ肉、しょうゆ大さじ2、酒大さじ2を入れて火にかけます。牛こま切れ肉に火が通ったら火を止め、粗熱を取ります。牛こま切れ肉を取り出し、煮汁はとっておきます。

4)鍋に水1.2L、さといも、こんにゃく、ごぼう、昆布、かつお節、牛しょうゆ煮の煮汁を入れて火にかけます。沸騰したらアクを取って弱火にし、蓋をしてさといもが柔らかくなるまで煮ます。

5)きのこ、木綿豆腐、牛こま切れ肉を加えます。しょうゆ大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1、砂糖大さじ1、塩小さじ2を加えます。

6)長ねぎを加えて火を止めます。蓋をして余熱で火を通します。塩で味を調えます。

7)器に盛り、七味とうがらしをふります。

◆ポイント
すっきりと上品な仕上がりになるレシピです。
最後に塩で味を調えるとき、ほんの少しだけ顆粒だしのもと(和風)または
だし醤油などを加えると、ごはんの進む味になりますよ。
このレシピの主役はさといも。
切らずにそのまま使って、味わいをたっぷり楽しみます。食べ応えもばっちりです。
締めはお好みのカレールーとうどんを足してつくる、カレーうどんがおすすめです。

レシピ作成:原田 有佳子(本と野菜・OyOy)
おしゃれなレストランでの修行経験もあるが、なぜかおばあちゃんっぽい料理が得意。ずっと「坂ノ途中だより」でレシピを発信したり、お野菜セットの中身、野菜の組み合わせを考えたりしていたけれど、今は京都の新風館というところにある坂ノ途中の店舗「本と野菜・OyOy」で料理をつくっている。