vol.3

「ご飯がすすむ、旬のお野菜を使った献立ってどんなものだろう?」
和食レシピサイト『白ごはん.com』の料理研究家・冨田ただすけさんにお話を伺い、毎日の食卓のヒントを得た私たち。この連載では、『白ごはん.com』のレシピで、ごはんがすすむ旬の献立を考えます。季節の野菜を使い、お料理をつくってみた様子をキッチンからお届けします。

一緒にチェック
ごはんに合う料理って何だろう?
料理研究家・冨田ただすけさんのお話

夏の食卓を彩る、野菜たっぷりごはん


夏本番。日差しが強くなって、自転車通勤のわたしは毎朝大変です。
みずみずしい夏野菜をたっぷり食べて、身も心も元気にいきたい!
そんな気持ちに合わせて献立を考えました。

スタッフ武岡(以下た)「今回のメイン、夏豚汁はどう? トマトとオクラが出てきたらつくりたかったレシピ。りっぱな丸ズッキーニが農家さんから届いたから、それも具材に加えてみようと思って」
スタッフ古田(以下ふ)「いいねぇ、カラフルで美味しそう。私は大好きなピーマンをたっぷりと食べたいから、じゃこ炒めにしようかな」
「ごはんがいくらでもすすみそう。箸休めは焼きなすにしよう。豚汁で汗をかきそうだから、こちらはひんやり冷やして」
「もう一品箸休めに、ぬか漬けはどう? 2日前に漬けた赤玉ねぎが食べごろだから一緒に食べよう~」

今回の献立


・玄米ごはん
・トマトとオクラとズッキーニの夏豚汁
・ピーマンとじゃこの醤油炒め
・焼きなす
・赤玉ねぎのぬか漬け

静岡・焼津のお米 田の息吹

お米は「静岡・焼津のお米 田の息吹」を選びました。生きものがたくさん暮らす田んぼで、力強く育ったお米です。旨味と甘味、しっかりとした味わいがあるので、今回選んだ味噌、醤油、塩とシンプルな味付けのおかずにぴったり。お米の香ばしい風味も感じられる玄米を炊くことにしました。


冨田ただすけさんよりメッセージ

——冨田さん、こちらの献立いかがでしょうか?
まさに僕の家の夏の食卓を見ているようです。いい組み合わせですね!

夏野菜って水分をたっぷり含んでいる分、傷みやすくもなりますし、できるだけ新鮮なうちに味わいたいですよね。でも、サラダみたいに生で使うお料理だけだと、どうしても食べきれないこともあるんじゃないかと思います。

おすすめは、この献立にある「トマトとオクラの夏豚汁」のように火を通すこと。かさが減ってやわらかくなるから食欲が落ちる暑い時期でも、たくさんお野菜をとることができますし、加熱すると保存もきくので、夏野菜の使い方として知っておくと献立の幅が広がると思います。
たとえばこの豚汁にきゅうりを入れたっていいし、焼きなすは冷凍保存もできるんですよ!

冨田ただすけさん/白ごはん.com
食品会社勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。自身が運営するレシピサイトYoutubeチャンネルを通して、おうちで作りやすい和食レシピを届けている。

つくり方・ポイント

それでは、つくっていきましょう! 手元には『白ごはん.com』のレシピを準備。ここはどんなふうにするの? と思ったときに見てみると、ちゃんと細かい手順やコツが書いてある。工程写真も分かりやすいので、はじめてでも安心です。

赤玉ねぎのぬか漬け

ぬか床を準備します。今回は「発酵食堂カモシカのぬか床」を使いました。
赤玉ねぎは、皮をむいて縦半分に切ってぬか床に入れ、2日ほど漬け込みます。根元の部分を残してくし切りのように切り込みを入れておくと、早くしっかりと漬かります。今回はすいかの皮も一緒に漬け込みました。かたい外皮を取り除いてぬか床に入れると、半日ほどで食べごろです。

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トマトとオクラとズッキーニの夏豚汁

豚汁は夏こそ食べたいお料理。冷房で冷えた身体を温め、汗で失われた塩分も補ってくれます。
トマト、ズッキーニは大きめの一口大に(トマトは湯むきすると口あたりがよくなります。お好みで)、オクラはガクとヘタを取って斜めに3〜4等分に切ります。しょうがはせん切りに、豚肉は1cm幅に切ります。鍋に油を引き、弱めの中火でしょうがと豚肉を炒めます。豚肉の色が変わってきたら、ズッキーニ、オクラを加えて炒め合わせます。だし汁を注ぎ入れたら中火にし、アクを取ります。沸いたら火を弱め、トマトを加えて、味噌を溶き入れたら完成。具材は、なすやモロヘイヤなどもおすすめです。
熱々が美味しい! つくってから時間が経ったら、しっかり温めてから召し上がってくださいね(煮過ぎると具材がくたくたになってしまうので気を付けてください)。

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焼きなす

なすはヘタを残してガクを取ります。焼き網(または魚焼きグリル)の真ん中になすを並べ、中火でじっくり火を通します。皮が焦げてきたら少しずつ回転させて、全体をまんべんなく焼きます。しっかりめに焼くと、実がとろっとした食感になり美味しいです。 焼き上がったら、ヘタの近くの皮を竹串ですくい取ってむいていきます。全てむけたら、お好みの大きさに切り分けます。食べる直前まで、冷蔵庫で冷やしておきましょう。かつお節とおろししょうが、醤油をかけていただきます。

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ピーマンとじゃこの醤油炒め

ピーマンは縦半分に切ってヘタと種を取り除き、7~8mm幅の細切りにします。フライパンにごま油を入れて中火で熱し、ピーマンとじゃこを加えて炒めます。ピーマンに火が通ったら、醤油、酒、砂糖を加え、さっと混ぜて火を止めます。 ピーマンの代わりに、万願寺とうがらしや甘長とうがらし、ししとうなどでつくってもいいですね。じゃこは「しらぬひ海育ちのちりめん」を使いました。カリカリに炒めると香ばしくて美味しいです。

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いただきます!

まず豚汁をひと口。トマトの酸味、オクラのとろっとした食感、汁気をたっぷりと含んだズッキーニ、そしてしょうがのさやわかな風味。口いっぱいに豚肉とお野菜の旨味がひろがります。ピーマンの醤油炒めは、その苦味とじゃこの旨味、甘辛い味付けがごはんにぴったり。冷やした焼きなすは、豚汁で汗をかきそうな身体をすっと落ち着かせてくれます。ぬか漬けの赤玉ねぎのほんのりした辛みは、豚肉とよく合う。いつもは捨ててしまっていたすいかの皮も、ぬか漬けにするとウリやキュウリみたいに美味しくて驚きました。

今回の献立で、玄米ごはんを選んだのは正解! 素材の旨味がきいたおかずにぴったり合い、香ばしさとさっぱりとした食感で、お箸がすすみました。
見た目も賑やかな、夏野菜たっぷりの食卓を囲んで、身も心も元気になりました。

●武岡萌

今回つくったレシピの詳細は、白ごはん.comでご覧いただけます

■トマトとオクラの夏豚汁

■ピーマンとじゃこの醤油炒め
 
■焼きなす

赤玉ねぎのぬか漬け

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