昔ながらの製法でつくる、すぎもと水産のちりめん
不知火海で代々漁業を営む〈すぎもと水産〉さんのちりめんをお届けします。昔ながらの漁法と釜揚げ・天日干しで、一つひとつ丁寧につくられています。
噛むほどに口のなかの風味が増し、海が広がるような、美味しいちりめん。イワシ一匹一匹の目が青々としていて凛々しく、たくましい姿をしています。
お野菜だけだとちょっと物足りないというとき、少し加えるだけで満足感のある一品に。そのまま食べても、サラダやパスタ、和えもの、ご飯に混ぜてもよく合います。
イワシ漁と甘夏みかん
|海から山へ、山から海へ
不知火海につづく沿岸の地域では、風と潮流を利用した漁業が昔から人びとの生業になっていました。しかし1940年代に水俣病が発生。多くの人や動物、自然を傷つけました。水俣の漁師たちは海を追われ、陸に上がり、生活のために甘夏みかんの栽培を始めたそうです。
人に毒を盛られた者は決して他人に毒を盛らない。
海と山は恋人同士。
すぎもと水産 杉本実さんの母・栄子さんの言葉です。
海を守るためにも、山で農薬を使わない。
今もその思いを受け継ぎながら、海と山でたくましく生きる実さん。
漁が終わると山に向かい、両親が残した甘夏みかん畑の世話をします。
|命をいただくということ
私たちが獲ったチリメンは最後の最後まで
網の中で必死に逃げようとしている
その命をいただき、自分は生きているのだから
全ての命に対しても粗末にしてはいけない
すぎもと水産のイワシ漁を手伝う、〈からたち〉スタッフの大澤基夫さんはそう語ります。
一匹一匹の目があり、一匹一匹の命がある。命をいただいていることを、いつも忘れないように。
からたちさんのこと
〈すぎもと水産〉さんのことをご紹介くださったのは、同じく熊本県水俣市で農薬を使わない柑橘類の栽培と販売、その他の加工品販売をされている 〈からたち〉さんです。
からたちとは、さまざまな柑橘を接ぎ木するときの土台に使われる柑橘の名前。根っこから水分や栄養素を吸い上げ、接ぎ木された柑橘の手助けをしています。
からたちのように、生産者と消費者をつなぎ、水俣病の患者さん達が植えたみかんを今後も守り、次世代へつなぎたい。そして、なるべく自然に負荷をかけない栽培を貫きながら、実ったみかん一つから水俣を伝えるために、自分たちの役割を果たし、根を張っていきたい。ただ売れればいいみかんではなく、世の中を問う水俣のみかんであり、どんな未来を作っていきたいかを考える、きっかけのみかんであってほしい。
そんな〈からたち〉さんの想いに共感し、私たちも彼ら彼女らの甘夏や不知火などの柑橘類、加工品を多くのひとにお届けしたいと考えています。
しらぬひ海育ちのちりめんのおいしいレシピ
そのままでも美味しいですが、からたちさんおすすめの食べ方はかりかりちりめん。
香ばしい風味が増し、お野菜がすすみます!
しょうゆとごま油の風味に、隠し味のお酢がさっぱり。
ちりめんの美味しさが引き立ちます。
お揚げに、おじゃこごはんを詰め込んだおいなりさん。
おじゃこごはんだけで食べても美味しいです。
■離乳食・お子さまのごはんにも
いわしの旨味がたっぷりです。
塩抜きし、細かく刻んでお粥や青菜と合わせて。
ピーマンとちりめんの炒め煮に。旨味が苦味をやわらげ、食べやすくなります。
お父さんお母さんもそのままパクッと食べて、カルシウム補給にも。