鮮やかな赤色で、甘みがつよく、独特の香りをもつビーツ。きっと多くのひとにとっては、あまり馴染みのないお野菜ではないでしょうか。
お客さまからは、「とっても美味しくいただきました」「甘くてびっくり。また食べたいです」「ポテトサラダときんぴらにしました。レシピのおかげで楽しめそうです」など嬉しいお声をたくさんいただく一方で、「使い方に困る」というお声も、同様に多くいただきます。
今回は、手軽につくれるビーツの酢漬けと、それを活用してつくる2種のサラダのレシピをご紹介。
教えてくれたのは、レシピサイト「白ごはん.com」を運営する、料理研究家の冨田ただすけさんです。
冨田ただすけさんよりメッセージ
「坂ノ途中さんの『旬のお野菜セット』の定期宅配を何年か続けています。
定番からちょっとマイナーなものまで、いろいろなお野菜を届けてくださるのが楽しく、自分では買わないビーツなどもよく料理するようになりました。
ビーツは、ひと通り定番料理を試したあとに、どうやったら自分の家にレシピとして定着するかなぁと考えてみて……結果、ひとまず『酢漬け』にして保存食にすることが増えました。
長く日持ちするものだから、あとは作りたいタイミングでサラダにしています。色づいた酢もサラダの味付けに使えて無駄もなく、オイル系・マヨネーズ系とサラダへのアレンジもしやすいものになったと感じています」
茹でて酢をそそぐだけ!保存もきく「ビーツの酢漬け」
「ビーツはなかなか食べ慣れない野菜でしたが、自分なりにいろいろ試してみて、まずは酢漬けにしておくのが定着しました」という冨田さん。加熱したビーツに、酢をそそぐだけの手軽さで、保存もきくのがうれしいところ。
つくっておけば、「さっぱりビーツサラダ」や「マヨネーズ味のビーツサラダ」などにも展開できます。
ビーツの酢漬けのつくり方
ビーツは皮をむいて、1.5㎝幅の半月切り(大きければいちょう切り)にします。鍋に入れ、水をたっぷり注ぎ、塩を加えます。中火にかけ、沸いたら火を少し弱め、ビーツに火が通るまでゆでます(目安:8~9分)。ゆで汁は捨ててザルにあげ、清潔な保存容器に移します。ビーツがほぼ浸かるくらいまで酢を注ぎ入れます。
保存の目安:冷暗所で半年
つくり置きのおかず、食卓の彩りに「さっぱりビーツサラダ」
ビーツの酢漬けに、大根、セロリ、じゃがいも、にんじんを合わせます。調味料はいたってシンプルで、さっぱりとした仕上がり。和でも洋でも、いろいろな献立に合わせやすい一品です。
「カレーの福神漬け代わりに使っても美味しいので、かなり重宝しています」と冨田さん。冨田家の食卓でも好評のようです。
さっぱりビーツサラダのつくり方
大根、セロリ、じゃがいも、にんじんは5~6mm角に切ります。ビーツの酢漬けも同様に角切りにします。大根、セロリに塩を合わせ、5~10分なじませます。じゃがいも、にんじんは塩を加えた湯で2~3分ゆでます。それぞれ水気を切っておきます。ボウルに大根、セロリ、ビーツを合わせ、ビーツの酢漬けの酢、砂糖、塩を加えて混ぜ、10分なじませます。最後にじゃがいも、にんじんを加え、油、こしょうで味を調えます。
サンドイッチ、お弁当の一品にも「マヨネーズ味のビーツサラダ」
「さっぱりビーツサラダ」をベースに、マヨネーズを加えてアレンジ。まろやかな味わいになり、メイン料理に添えたり、パンに挟んだり、お弁当の一品にしたりと活用の幅が広がります。
「うちの娘はマヨネーズアレンジのほうが食べやすくて好きなようです」と冨田さん。ピンクの色もかわいらしく、お子さんにも喜んでもらえそうですね。
マヨネーズ味のビーツサラダのつくり方
さっぱりビーツサラダの汁気を切り、ボウルに移します。マヨネーズを好みの分量加えます。全体をよく混ぜたらできあがり。
坂ノ途中スタッフもつくってみました
おいしいもの担当スタッフより
「甘みや香りがしっかりとしているビーツ。味わいは好きなのですが、ほかのお料理との組み合わせに悩むこともしばしば。わたしにとっては、余裕のあるときに向き合って調理するようなお野菜でした。
こちらの酢漬けは、塩ゆでしてお酢に漬けるだけ。計量もしなくてよいので、ほんとうに気楽にできました。
ひと晩置き、そのまま食べてみて納得。ビーツに甘みがあるので、お酢がなじむことで、ピクルスのような味わいに! 特有の土っぽい香りも、お酢によって和らぎます」
「酸味のお好きな方はそのままで、またオリーブオイルやこしょうをかけても。箸休めにぴったりです。薄切りにしてサンドイッチに挟んでも、良いアクセントに!」
「ビーツの酢漬けをさいの目に切って、新玉ねぎと合わせてみました。塩少々と、酢漬けのお酢で和えただけですが、さっぱりおいしいサラダになりました。冨田さんのおっしゃる通り、どんなお料理にも合いそうで、うちでは炒飯に添えてみてもおいしかったです。ビーツが苦手な方でも食べやすいのではないかと思います」
ビーツの使い方にお困りのかたに、もちろんビーツ好きのかたにも。色鮮やかでおいしい食卓を楽しんでいただけたら嬉しいです。