イラスト/とみなが

vol.8

離乳食っていつはじめるの?

離乳食は生後5か月〜6か月(※修正月齢がある場合は修正月齢で)あたりではじめます。
大人の食べものに興味を示す、少しのあいだ座れる、寝返りができるようになっているなど、目安はありますが、まずは5か月を過ぎてから、子どもも大人も体調のいい日にスプーンでお粥をあげてみましょう。
このときのチェックポイントは「スプーンを口に入れたとき、舌で押し出すかどうか」です。
押し出すようであれば、まだおっぱいに吸い付く哺乳反射が残っていて、離乳食を始めるには少し早いです。あせらず、1週間くらい経ったらもう一度試して様子を見てくださいね。

最初は何からはじめる?

おかゆをなめらかにすりつぶしたものからはじめましょう。
最初は食べられる量はほんのちょっぴり。離乳食用につくらなくても、普通に炊いたごはん大さじ1杯に大さじ5杯くらいの水を入れ、小鍋で煮る、電子レンジにかけて10分ほど置いておいても大丈夫です。スープジャーにごはんとお湯を一緒に入れしばらく置いても。
ごはんがやわらかくなったら、すりつぶしてヨーグルトぐらいのなめさかさにします。ゆるすぎたらごはんを、固すぎたら水を足して調節してください。余った場合は冷凍保存できます。

どのくらい食べさせる?

はじめてのおかゆは、離乳食用のスプーン3~4杯ぶんくらいにしましょう。

どうやって食べさせる?

お座りがまだ上手にできない場合は、縦抱きにしてあげましょう。
スプーンは離乳食用のくぼみが浅いものを使います。
おかゆをくぼみの半分くらいの量のせて、正面からスプーンを差し出し、赤ちゃんの下唇の上にちょこんと乗せます。赤ちゃんが口を開いてくわえるのを待ちましょう。
スプーンが口の中に入ったら、「まっすぐ」抜きます。やりがちなのは上顎に擦り付けるようにスプーンを上方向に引っ張りあげてしまう動作。これは、食べものがそのまま喉へストンと落ちてしまい、噛まずに丸呑みするくせがつきやすくなります。

飲み込むのを見届けてから次のひと口を準備します。スプーンの運びが早すぎても、丸呑みしてしまいやすいです。
「とっても時間がかかりそう……」
そうなのです。じれったくてしょうがないです。
口に入れたものを出してしまったりして、ちゃんと食べているかもわからない。
こんなので大丈夫? という気持ちになりますよね。
赤ちゃんは一所懸命です。じっとこらえて見守ってあげてください。

だから、大人も一緒にごはん

赤ちゃんがおかゆをぱくっと口に入れたら、大人も自分のごはんを食べて赤ちゃんが飲み込むのを待ちます。そうすると、ほんのちょっとでも、じれったさがやわらぐ気がしませんか?
そして、これこそ「離乳食、きほんのき」でお伝えした離乳食3ヶ条の<家族みんなで「いただきます」>、です。
おっぱいやミルクは生まれたときから備わっている哺乳反射で吸うことができます。でも、そのほかのごはんを食べることは学ばなければいけません。一緒に食卓を囲んでいるおかあさんやおとうさんがものを食べている様子・光景が、赤ちゃんにとっていちばんの教材です。
食べさせながら自分も食事をとる、これもまた大変なのですが、長い目で見るとメリットの方が大きいと思います。好きな食べものを用意して、「おいしい!」を赤ちゃんに伝えてあげましょう。

まとめ

ここまでお伝えしてきたことを、簡単にまとめました。

いつから?

生後5か月〜6か月の60日間のどこかではじめる

何を?

すりつぶしてヨーグルト状にしたお粥

どれくらい?

小さじスプーン1杯まで(離乳食用スプーン3~4杯程度)

どうやって?

離乳食用のスプーンを使う。
まだお座りできない場合は縦抱きで
スプーンはまっすぐ入れて、まっすぐ出す
口の中が無くなってから次のスプーン
家族みんなで「いただきます」

赤ちゃんと一緒に、大人も食事を楽しみましょう。

 

執筆:奥野由(おくのゆい)
大学で栄養学を学び管理栄養士の資格を取得。食品メーカーで商品開発として楽しく働いていたが、出産を機に「子どもと食」への興味がむくむくと膨らみ退職。離乳食や幼児食の勉強をはじめる。母子栄養指導士の資格を取り助産院などで教室を開催しつつ、坂ノ途中と一緒にベビーフードの開発をしている。あだ名は「ちゅい」。その由来もいずれこのコラムで明らかになるかも……?