vol.7

小さかった頃、病気になって熱を出すと、いつも母がりんごを剥いてくれました。
大人になって、妊娠してつわりが辛かった私に、母はりんごを剥いて、そっと枕元に置いてくれました。

りんごは母に剥いてもらうもの。なんて言ったら叱られそうですね。
でも、私にとってりんごは、母にたっぷりと甘えた思い出とともにあるものです。
幸せな記憶をまとった果物。

息子はりんごが大好きです。この子にとっても幸せな果実となりますように。
そう願って、りんごの皮を剥きます。

離乳初期(5〜6ヶ月)

すりおろしを加熱して搾った果汁を飲める時期です。
酸味が少ないので、そのまま何も足さなくて大丈夫。
苦手そうなお野菜のペーストにりんごの果汁を混ぜてあげると食べやすくなります。

離乳中期(7〜8ヶ月)

すりおろしたものが食べられる時期。加熱してから食べさせましょう。
小さく刻んで煮てあげても。お豆腐のように簡単につぶせるやわらかさが目安です。
さつまいもやかぼちゃと合わせてサラダにするのも良いですね。

離乳後期〜完了期(9〜18ヶ月)

ある程度形があっても噛んでつぶせます。1cm以下の角切りにして、加熱してやわらかくしましょう。
薄く輪切りにして加熱したものは手づかみ食べに最適です。
大人用にはシナモンをかけて、親子いっしょにおやつを楽しんで。

 

「果物って加熱しないとダメですか?」

そう訊かれることがよくあります。 
離乳期は消化器官が未熟です。果物を加熱することには、
・消化しやすくする
・まな板や包丁に付着しているかもしれない菌を殺す
・アレルギーを起こしにくくする
といった意味があります。

加熱が必要な発育時期の目安は、消化器官が発達し丈夫になってくる1歳ぐらいまで。
でも明確な決まりはありません。
「焦らず少しずつ」を心がけて、お子さんのペースに合わせて考えていただければと思います。

 

執筆:奥野由(おくのゆい)
大学で栄養学を学び管理栄養士の資格を取得。食品メーカーで商品開発として楽しく働いていたが、出産を機に「子どもと食」への興味がむくむくと膨らみ退職。離乳食や幼児食の勉強をはじめる。母子栄養指導士の資格を取り助産院などで教室を開催しつつ、坂ノ途中と一緒にベビーフードの開発をしている。あだ名は「ちゅい」。その由来もいずれこのコラムで明らかになるかも……?