vol.7

「ご飯がすすむ、旬のお野菜を使った献立ってどんなものだろう?」
和食レシピサイト『白ごはん.com』の料理研究家・冨田ただすけさんにお話を伺い、毎日の食卓のヒントを得た私たち。この連載では、『白ごはん.com』のレシピで、ごはんがすすむ旬の献立を考えます。季節の野菜を使い、お料理をつくってみた様子をキッチンからお届けします。

一緒にチェック
ごはんに合う料理って何だろう?
料理研究家・冨田ただすけさんのお話

野菜をたっぷり包む、餃子が主役のごはん。

空気は日に日に冷たくなり、畑のお野菜はじっくりと甘みを蓄えています。
キャベツや白菜、ニラやネギが美味しい季節です。

この組み合わせで、ふたりの頭に思い浮かんだのは……

スタッフ武岡(以下た)「みずみずしい白菜が届きました。1玉まるまる使って、餃子をつくりましょう!」
スタッフ古田(以下ふ)「餃子大好き。ニラもたっぷり入れよう。箸休めには、白菜を何枚か取っておいて浅漬けをつくろうかな。かぶの葉っぱも一緒に」
「この時期は、根菜もいろいろな種類が揃っているね。今回はさといもとごぼうを使おうと思うんだけど、どんなおかずがいいかな?」
「から揚げがいいなあ。餃子の旨みにもよく合う、こっくり濃いめの味つけで。汁物は温まるかき玉汁でどう? 葉ねぎも添えて」

今回の献立

・白ごはん
・白菜餃子
・ごぼうとさといものから揚げ
・白菜とかぶの葉の浅漬け
・葉ねぎのかき玉汁

津山れんげ米


お米は「津山れんげ米(白米)」を選びました。岡山県津山市、自然いっぱいの里山で育てられたお米です。春に咲いたれんげを田んぼにすき込み、稲の栄養にしています。粒に丸みがあり、やさしい甘みのある味わいが特徴。どんなおかずにも合わせやすいお米です。

 

冨田ただすけさんよりメッセージ

——冨田さん、こちらの献立いかがでしょうか?

今回の献立でつくる餃子や、ほかにも筑前煮や角煮、ロールキャベツとかって、白ごはん.comに掲載している料理のなかでも結構時間がかかるし、工程も多いものです。

つくったことがないと、なんだか難しそうと尻込みしてしまうかもしれません。でも、気持ちを奮い立たせて一度トライしてみてほしいですね。

手づくりならではの味わいってどの料理にも必ずあるし、1回目より2回目、3回目と、数を重ねるごとに、自分好みの味にうまく調整できたり、効率よく作れるようになったり、嬉しい発見や気づきが絶対ありますから。

甘さたっぷりの白菜で、山盛りの餃子をぜひ!

冨田ただすけさん/白ごはん.com
食品会社勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。自身が運営するレシピサイトYoutubeチャンネルを通して、おうちで作りやすい和食レシピを届けている。

つくり方・ポイント

白菜とかぶの葉の浅漬け

参考にしたのは白菜の浅漬けのレシピ。かぶの葉も加えてつくります。
白菜とかぶの葉は、それぞれ3~4cm幅に切り、昆布は軽く火であぶってから、キッチンばさみで細長く切ります。ボウルに白菜、かぶの葉、塩(野菜の重量の2%)を入れ、手でよく混ぜ合わせます。全体がなじんだら、昆布を加えて保存袋に。バットに袋を置いて平らに広げ、重しをして3~4時間漬け込みます。白菜から水気が出てしんなりとしてきたら食べごろ。好みの漬け加減になれば重しを取り、冷蔵庫で保存します。食べるときはしっかりと水気をしぼってから器に盛り付けます。
今回は、グリーンレモンを少し搾って添えました。
いろいろと好みのお野菜を漬けて、常備しておくのもいいですね。

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白菜餃子

白菜は4~5mmほどの粗めのみじん切りにし、塩を加えてなじませます。そのあいだにニラは2mmほどに細かく、しょうがはみじん切りに、にんにくはすりおろします。塩をなじませた白菜は水気をしぼります。ボウルにひき肉を入れ、おろしにんにく、醤油、酒、砂糖、ごま油、味噌、塩、こしょうを加えます。タネに粘りが出るまで、手でしっかりと混ぜ合わせます。そこにニラ、しょうが、白菜を加え、全体が均一に混ざれば、タネのできあがり。餃子の皮に包んでいきます。タネは皮の真ん中に平らにのばすのがポイント。そうすることで、たっぷり包めて、余分な空気が入りにくくなります。すべて包めたら、フライパンで焼き上げます。
白菜の代わりに、キャベツを使ってもつくれます。白菜はほかの具材となじんでみずみずしい仕上がりに。キャベツはシャキっとした食感が出ますよ。

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ごぼうとさといものから揚げ

ごぼうの唐揚げのレシピに、今回はさといもを加えました。
ごぼうはまず土を洗い落し、皮を軽くこそげ、4~5cmの長さに切ります。さといもは下茹でをして皮をむき、食べやすい大きさに切ります。ボウルにごぼうとさといもを入れ、すりおろしたにんにく、醤油、砂糖を混ぜたたれを加えて混ぜ合わせます。5分ほど味をなじませたら、ごぼうとさといもの汁気を切り(たれは別容器に取っておきます)、片栗粉を加えて、全体を混ぜ合わせます。鍋で油を180℃に熱し、ほぐしながらごぼうとさといもを入れます。揚げる時間は3~4分が目安。こんがりと色づいたら、油を切りながら取り出します。最後にたれを全体にまわしかけ、こしょうを振ります。

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葉ねぎのかきたま汁

だしブレンドでだしをとります。葉ねぎは3cm幅ほどに切り、卵はしっかりとお箸で溶きほぐしておきます。あらかじめ醤油と塩を合わせ、水溶き片栗粉も準備しておきます。鍋にだし汁を入れて火にかけ、温まったら醤油と塩を加えて味つけします。次に水溶き片栗粉をよく溶かして、だし汁を軽く混ぜながら加えてとろみをつけ、一度しっかり沸騰させます。少しずつ卵を鍋に回し入れて、お玉でやさしく底から全体を混ぜ合わせます。最後に葉ねぎを加え、火を止めます。味見をしてみて、薄ければ塩で味を調えます。
しっかりと体を温めたいときは、仕上げにしょうがのしぼり汁を加えるのがおすすめです。

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いただきます!


大好きな餃子からひとくち。味噌とごま油の風味がしっかり感じられるタネには、さっぱりとした酢こしょうやすだち果汁のたれがよく合うなぁと思いました。
ごぼうとさといものから揚げは、甘辛い味つけと香ばしい衣がやみつきに。ごはんがすすみます。仕上げに添えたきくな(春菊)の葉もいいアクセント。
濃いめの味つけのおかずの次は、浅漬けを。
じんわりと感じるお野菜の甘み、グリーンレモンの果汁の爽やかさが箸休めにちょうどいいです。
とろみのついたかきたま汁はほっと体にしみわたります。

お野菜たっぷりの餃子と白ごはん、なんて幸せな組み合わせ……。
そう言いながら、餃子をおかわりする私たちでした。

●武岡萌

 

今回つくったレシピの詳細は、白ごはん.comでご覧いただけます

■白菜とかぶの葉の浅漬け

■白菜餃子
 
■ごぼうとさといものから揚げ

■葉ねぎのかきたま汁

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