日本在住者の多くは寿司を好きだと思いますし、いちどはオリジナル寿司を考えたことがあるひとも少なくはないはずです(どうでしょうか)。それでも、これは!と思えるものをつくることができた人は少ないでしょう。
自分も野菜を扱っている会社に勤めているので野菜をつかった寿司(通称ベジすし)のいいアイデアを日々探していますがなかなかよいものは思いつきません。
そんななか、自社農場のやまのあいだファームに立ち寄った際に見かけた奇妙な野菜を使ってすこしおもしろいベジすしをつくることができたので紹介します。

 

使うのはタイの野菜「へびうり」です。畑でみてみるとにょろにょろ自由になっていて不思議な光景です。

へびうり

花は可憐。へびうりの花やまのあいだファームのスタッフと比べるとその大きさがわかると思います。へびうりその異様な見た目とは違ってほのかに甘いような香りがします。生でも食べられると聞いて、恐る恐る食べてみたのですが、味はあっさりしていてきゅうりに近く意外といけます。煮てもおいしいそうでタイではカレーに入れたりもするようです。
皮のほうはキュウリよりは固いですがふつうに食べることができます。中は空洞になっていますがワタや種があります。
このへびうりをみてひとつ思ったことがありました。これでかっぱ巻きをつくったらおいしいのではないか、と。
 
話は脱線しますが、じつは自分はみずみずしいキュウリの細巻、いわゆるかっぱ巻きが好きです。お寿司屋さんに行くと必ず頼みます。
夏になってキュウリが出てくるとうちでも何度か巻いています。
おいしくするにはどうしたらいいか、細く切ったほうがいいか、塩をして水気を絞ったほうがいいのか、ゴマや薬味をいっしょにいれたほうがいいか・・・とも試行錯誤中です。現時点の結論としては、新鮮なキュウリを6等分になるように縦に切って使うのが一番おいしいと思っています。
かっぱ巻き好きが高じて大阪は北新地の老舗、甚五郎さんの軒先にある胡瓜巻発祥の地の碑にも行ったことがあります(東京・西早稲田の八幡鮨が元祖だという説もあります)。胡瓜巻発祥の地と筆者

胡瓜巻発祥の地の石碑と筆者と2歳手前の娘(撮影は2022年6月)

さて、このへびうりは輸送が困難なので、適当に切った状態で家に持ち帰りました。へびうり断面これにご飯をつめていきます。お箸などでぎゅっと詰め込む必要がある。へびうり寿司輪切りにします。名付けて逆かっぱ巻です切るときの厚さは薄いと中のご飯が落ちてしまうし、分厚いとへびうりが口に残るという問題があるので6-7mm程度がよいでしょう。ちょっとイカめしみたいですね

 

妻によると、箸休めにはいいかもしれない、とのことでしたが食べてみると、外側のへびうりの部分をかじることになってしまって難しい。味は悪くないのですが、かっぱ巻きのフィンガーフードとしての完成度の高さを改めて思い知らされました。
それでもへびうりはなかなかポテンシャルの高い野菜だとは思うので活用アイデアや、関心のある飲食店さまからのご連絡お待ちしております。へびうりは縦にきってふつうのかっぱ巻きにしてもおいしい。
へびうりのほかにもおいしい野菜をたくさん栽培しているやまのあいだファームをもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
片山 大