ストーリーとともにコーヒーを厳選して毎月お届けする『【定期宅配】産地を旅するコーヒー2種セット』。2026年9月は「農家さんと共に歩むソーシャルエンタープライズのコーヒー」をテーマにお届けします。
コーヒー栽培を頑張る農家さん達にとって、鍵となるのがパートナー企業の存在です。今回は、ビジネスの利益だけでなく、地域や社会にも貢献するソーシャルエンタープライズ(社会的企業)のかかわるコーヒーをお届けします。
フィリピン Kalsadaのコーヒー
今回の産地はミンダナオ島の中部、ブキドノン州。ブキドノンとは現地の言葉で「山の人びと」、その名の通り山岳地帯で、コーヒー栽培に適した環境です。
農家さんのパートナー、カルサダコーヒーは、2014年に設立。公平性・人権・環境に配慮した高品質のコーヒーを世界に届けることを目指し、設備や継続的なトレーニングの提供を通じて、品質向上と透明性の確立に取り組んでいます。
国内責任者のテレさんは、もともと現地語の通訳としてカルサダコーヒーの立ち上げに参加しました。当初はコーヒーを飲む習慣もなかった彼女ですが、Qグレーダー(コーヒーの品質を評価する専門家)の資格を取得し、焙煎技術も身につけ、実験と学びを重ねてきました。収穫期の大半を産地で農家さんと過ごし、収穫や精製の指導にあたるテレさんは、人を巻き込む力をもつ人。自然と周囲にさまざまな分野の人が集まり、コミュニティの発展を支えています。

■スタッフの豆知識
フィリピンは、アラビカ種やロブスタ種に加え、希少なリベリカ種やエクセルサ種も栽培される、コーヒーの主要4品種全てがそろう国のひとつです。有名な産地バタンガスでは、白いご飯と揚げた干し魚にコーヒーをかけて食べるほど、コーヒーが暮らしに根付いています。
焙煎度:中深煎り
精製方法:ナチュラル
苦味:●●◯◯◯
酸味:●●◯◯◯
フレーバー:チェリー、パイナップル、カカオニブ
栽培:栽培期間中 農薬・化学肥料を必要に応じて使用
■おいしい淹れ方
・コーヒー 20g (中細挽き)
・湯の温度 86℃ほど
・投入湯量 300ml
・ドリッパーはハリオV60を使用
蒸らし 0分00秒〜40ml注ぐ。粉全体が湿るくらい
1投目 0分30秒~計170mlまで注ぐ
2投目 1分00秒~計250mlまで注ぐ
3投目 1分30秒~計300mlまで注ぐ
完成 2分30秒くらい
Point
過度な苦味や雑味を抑えるため、低めの温度のお湯を使用します。むらし後、前半の湯量を多めにして雑味の抽出を抑え、フルーティな酸味と甘味を引き出しましょう。
ミャンマー Geniusのコーヒー
今回の産地、シャン州ユアンガン地方は「アジア版のローリングヒルズ」とも呼ばれる丘陵地。国内有数のコーヒー産地です。農家さんの多くは小規模で、アグロフォレストリーの農法を用いて、シェードツリーの下でコーヒーとともにアボカドやバナナ、お茶、柑橘類、マカダミア、ジャックフルーツなど、さまざまな作物を育てています。
農家さんのパートナー、ジーニアスコーヒーは、技術指導や環境に配慮した栽培・精製方法の普及、ビニールハウスでの乾燥や独自の発酵方法による品質向上、精製時に出る廃水を農園の畑用水として再利用する取り組みなど、多岐にわたる活動を続けています。代表のゲトゥンさんは、適正価格での買い取りやトレーニングを通じて、農家さんとの信頼関係を大切にしてきた人。2021年のクーデター以降、困難な状況が続くなかでも、「ミャンマーをコーヒーベルトに」という夢を胸に、農家さんとともに歩みを続けています。

■スタッフの豆知識
ミャンマーでは、コーヒー畑で作業する人たちが顔に淡い黄色のペーストを塗っていることがあります。これは「タナカ」と呼ばれ、木の樹皮を石で擦って作られる、2000年以上もの間使われ続けている伝統的な日焼け止めだそうです。
焙煎度:中煎り
精製方法:ウォッシュ
苦味:●●◯◯◯
酸味:●●◯◯◯
フレーバー:ポンカン、ローステッドアーモンド、カラメル
栽培:栽培期間中、農薬化学肥料不使用
■おいしい淹れ方
・コーヒー 20g (中細挽き)
・湯の温度 90℃ほど
・投入湯量 300ml
・ドリッパーはハリオV60を使用
蒸らし 0分00秒〜40ml注ぐ。粉全体が湿るくらい
1投目 0分30秒~計150mlまで注ぐ
2投目 1分00秒〜計225mlまで注ぐ
3投目 1分30秒〜計300mlまで注ぐ
完成 2分30秒くらい
Point
高めの温度のお湯で、蒸らし後は大体等量くらいのお湯を注いで酸味、甘み、コクのバランスの取れた一杯を目指しましょう。
■今月のひとこと:フィリピンコーヒーよもやま話
コーヒー栽培では「収穫」と「精製加工」が注目されがちですが、ほかにも大切な作業がいろいろあります。そのひとつが「剪定」。私が活動していたフィリピンではコーヒーの木は野放しで育ち、樹高が3mにも達してしまい収穫に一苦労、ときには収穫を諦めることもありました。適正な高さを保ち、肥料泥棒となる無駄な枝を剪定することは、収穫効率と量を上げるのに不可欠です。
収穫期以外の手入れに消極的な農家さんにやる気を出してもらうにはどうしたらと考え、たどり着いたのが「コーヒーの葉のお茶」でした。剪定で出る若芽は「緑茶」に、それ以外は「紅茶」に。まずは自分で作って試飲してみると、まろやかな味と後味には優しい甘さ。
剪定作業の講習後、さっそく農家さんとお茶作りを行いました。「おいしい!」という声に、「どうかコーヒーの手入れをするモチベーションが上がりますように」と祈る私でした。(焙煎士:岡田昌子)

産地を旅するコーヒー2種セット
「東南アジア・ラオスの森林減少の改善のために何かできないか?」という問いかけから始まった、海ノ向こうコーヒー。産地が抱える課題にも向き合いながら、農家さんと一緒にコーヒー豆の品質向上に取り組んでいます。
今では、産地はアジアから中南米、アフリカへと広がり、取り扱うコーヒー豆は100種類をこえました。個性的なストーリーを持った世界のコーヒーの中から、月替わりで2種類をえらび、自社で焙煎してお届けします。





