vol.3

祖父はトマトが嫌いでした。小さいころに食べたトマトは青臭くて美味しくなかった。そのイメージが今もあって食べる気にならない、と。
私はトマトが大好き。甘くて美味しいのになあ、おじいちゃんも食べてみたらいいのに。なんて子ども心に思いながら、まるっとかじっていました

トマトは品種改良により青臭さが薄まり、甘味の強いものが多くなりました。今では子どもの好きな野菜ランキングの常連です。
でも、嫌いな野菜にもよくあげられているんだそうです。甘くなったとはいえ、酸味を苦手に感じる子も多いよう。「すっぱい!」という表情はとってもかわいいんですけれどね……。
完熟したものを選んだり、加熱して酸味を和らげたりしてあげましょう。

トマトは完了期まで、皮を剥いてあげます。つるっと簡単に剥く方法はこちら。

1. 沸騰したお湯に入れるか、コンロの火で炙るかしたあと、すぐに氷水に浸ける
2. 爪楊枝で数か所穴を開けて(または半分に切って)、電子レンジ600Wで10〜20秒加熱
3. 冷凍庫で凍らせ、水に浸ける

離乳初期(5〜6か月)

皮を剥いて種を取り、滑らかになるまですりつぶしましょう。
おだしやミルクと合わせるのもおすすめ。あらごしトマトやホールトマトなど、トマト缶を使っても大丈夫です。

離乳中期(7〜8か月)

皮を剥いて種を取り、細かく刻みましょう。
トマトとカッテージチーズで、カプレーゼ風なんてどうでしょう。
おだしとトマトとお豆腐で、トマトけんちん汁も美味しいですよ。 

 

離乳後期〜完了期(9〜18か月)

皮を剥いて、1cm大くらいに切ってあげましょう。
しっかり噛めるようなら、完了期はミニトマトを4等分にするだけでも大丈夫。ミニトマトは喉に詰まりやすいので、必ず切ってください。
薄めの味つけでトマトソースを作って、ミートソースパスタにしても喜んでくれそう!

わが息子、最近緑のお野菜に手をつけなくなりました。彼が今食べているお野菜はほぼトマトのみ。トマトさん、毎日ありがとう。

 

 

執筆:奥野由(おくのゆい)
大学で栄養学を学び管理栄養士の資格を取得。食品メーカーで商品開発として楽しく働いていたが、出産を機に「子どもと食」への興味がむくむくと膨らみ退職。離乳食や幼児食の勉強をはじめる。母子栄養指導士の資格を取り助産院などで教室を開催しつつ、坂ノ途中と一緒にベビーフードの開発をしている。あだ名は「ちゅい」。その由来もいずれこのコラムで明らかになるかも……?