ストーリーとともにコーヒーを厳選して毎月お届けする『【定期宅配】産地を旅するコーヒー2種セット』。
2026年11月は「リージョナルロットのコーヒー」をテーマにお届けします。
リージョナルロットとは、特定の地域(リージョン)の農家さんの豆だけを集め、ブレンドしたコーヒーのこと。ふたつの産地の味わいをお楽しみください。
イエメン モカ太陽のコーヒー
イエメンでは、コーヒーは国を代表する産業のひとつ。およそ30万世帯が栽培にかかわっており、そのほとんどが0.4ヘクタールほどの小農家さんです。今回のコーヒーの産地は、日本でも知られる「モカ・マタリ」の原点、バニーマタル地域のハイマ村。険しい高山の斜面につくられた伝統的な石組みの段々畑で、機械を使わず、ほぼすべてが手作業で行われています。水資源がとても乏しい地域のため、水を使う精製は行いません。収穫後の完熟チェリーは、石造りの民家の屋根や屋上に広げられ、太陽の光をたっぷりと浴びてゆっくりと乾燥します。このような自然環境と乾燥方法が、コーヒーに凝縮した味わいを与えています。
海ノ向こうコーヒーのパートナーとして届けてくれるのは、兄弟で活動するモカオリジンズさん。内戦や経済難で打撃を受けたイエメンで、伝統的な栽培や手摘みでの収穫を守り、モカコーヒーの復興と農家さんの支援を目指して活動を続けています。

■スタッフの豆知識
イエメンではコーヒーの果皮を乾燥させたもの(カスカラ)を「ギシル」と呼びます。たっぷりの砂糖、生姜やスパイスと一緒に煮出した「ギシルコーヒー」を飲む文化が、コーヒー以上に根付いています。
焙煎度:中深煎り
精製方法:ナチュラル
苦味:●●◯◯◯
酸味:●●●◯◯
フレーバー:レッドベリー、ローズティー、カカオニブ
栽培:栽培期間中、農薬、化学肥料不使用
■おいしい淹れ方
・コーヒー 20g (中細挽き)
・湯の温度 88℃ほど
・投入湯量 300ml
・ドリッパーはハリオV60を使用
蒸らし 0分00秒~ 40ml注ぐ。粉全体が湿るくらい
1投目 0分45秒~ 計120mlまで注ぐ
2投目 1分15秒~ 計210mlまで注ぐ
3投目 1分45秒~ 計300mlまで注ぐ
完成 2分30秒くらい
Point
蒸らしは長めにとり、コーヒーのドームをしっかりと膨らませて甘み成分が溶け出しやすくします。前半はゆっくり注いで酸味と甘みをじっくり引き出し、後半は一気に注いで雑味をおさえましょう。
コスタリカ ジャガーを守るコーヒー
今回の産地は、コスタリカの首都サンホセの南に広がるタラス地方。火山性の肥沃な土壌を有し、近年はコスタリカのスペシャルティコーヒーの中心地となっています。この地でジャガーを守るコーヒーのプロジェクトが始まったのは2010年。輸入業者のボルカフェと、現地の環境保護団体FUNDAZOOによって立ち上げられ、現在はNAMA Conservation(NAMA)という保護団体に引き継がれて活動が続いています。コーヒー生豆1ポンド(約450g)当たり最低1セントが保護団体へ寄付され、絶滅危惧種となったジャガーをはじめとする野生動物と、その生息する森林を守る活動や研究に活かされています。
このコーヒーの魅力は、プロジェクトの背景にあるストーリーはもちろん、その味わいにもあります。豊かな甘みとまろやかな口当たりは、乾燥中の発酵の調整と適切な乾燥によって生み出されます。コスタリカの農家さんの高い精製技術の賜物です。

■スタッフの豆知識
ボルカフェは、ジャガーを守るコーヒーと同様のプロジェクトを世界各地で展開しています。グアテマラではピューマ、コンゴではゴリラ、インドネシアではトラ、タンザニアではチンパンジーと、それぞれの地域の野生動物を守りながら、コーヒーがつくられています。
焙煎度:中深煎り
精製方法:ハニー
苦味:●●◯◯◯
酸味:●●◯◯◯
フレーバー:アップル、はちみつ、ホットココア
栽培:栽培期間中、必要に応じて農薬・化学肥料を使用
■おいしい淹れ方
・コーヒー 20g (中細挽き)
・湯の温度 88℃
・投入湯量 300ml
・ドリッパーはハリオV60を使用
蒸らし 0分00秒~ 40ml注ぐ。粉全体が湿るくらい
1投目 0分30秒~ 計100mlまで注ぐ
2投目 1分00秒~ 計150mlまで注ぐ
3投目 1分30秒~ 計300mlまで注ぐ
完成 2分30秒くらい
Point
約1分30秒までに3回に分けて半量のお湯を注ぎ、甘さ・酸味・フレーバーをバランスよく抽出します。1分30秒からは残りのお湯を素早く注ぎ、抽出に時間がかかりすぎないように調整してください。
■今月のひとこと:フィリピンコーヒーよもやま話 「コーヒーの花でパンを焼く」
フィリピンのコーヒーの収穫期は11月から2月。花の時期は1月なので、収穫の最中に花も咲きます。ジャスミンのように甘く爽やかな小さな白い花が咲き、2〜3日ほどで儚く散ってしまいます。花の香りに包まれての収穫作業は幸せなひととき。受粉を終えた花ががくから離れ、めしべに引っかかってランプのようにぶら下がるのが見えたら、花の収穫の合図。瓶に詰めて水を入れ、砂糖を少々。蓋をして数日待つと泡がぷくぷくと出てきて、「コーヒーの花の酵母液」の出来上がりです。酵母液と小麦粉で元種を育てカンパーニュに挑戦。焼き上がりはほどよいボコボコの気泡。噛み応え十分で、ほのかにコーヒーの花が香ります。また楽しみをひとつ見つけてしまった……これだからコーヒーの探求はやめられません。 (焙煎士:岡田昌子)

産地を旅するコーヒー2種セット
「東南アジア・ラオスの森林減少の改善のために何かできないか?」という問いかけから始まった、坂ノ途中のコーヒー事業。産地が抱える課題にも向き合いながら、農家さんと一緒にコーヒー豆の品質向上に取り組んでいます。
今では、産地はアジアから中南米、アフリカへと広がり、取り扱うコーヒー豆は100種類をこえました。個性的なストーリーを持った世界のコーヒーの中から、月替わりで2種類をえらび、自社で焙煎してお届けします。





