息子には食物アレルギーがある。
生後6か月のとき、離乳食でパン粥を食べたところ、顔がパンパンに腫れあがった。
病院で血液検査をすると、特定原材料(※)の、卵、エビ、カニ、小麦、蕎麦、落花生、乳の7品目すべてと、そして大好きな犬にまでアレルギーがあることがわかった。

そんなことが起きるまで、食べものになにが入っているのかなんて、ほとんど気にしたことがなかった。
でも、息子のアレルギーが判明してから、気をつけて原材料表示を見るようにしていると、多くの食品に特定原材料が使われていることを知った。
気づかずに、小麦の含まれた醤油や、乳成分のあるカレー粉なんかは使ってしまったことがある。
いつも利用している食料品店に並んでいるものは、特定原材料の含まれた食品が多く、なにも買えないことがよくあった。
そのせいで、息子にはしょっちゅう野菜を食べさせていた。蒸したもの、焼いたもの、生のまま、ドレッシングもマヨネーズもなし、塩を振るくらい。それでも、ずいぶんと喜んでいた。なかでもニンジンやさつまいものホイル焼きは大好物で、サイコロ状に切ったものを鷲掴みにして食べていた。
7歳になった息子は、卵と乳を除けば食べられるようになった。
けれどもすっかり野菜好きになってしまって「俺、肉より野菜の方が好き。草食男子やねん」なんて言っている。
父としては、肉にもがっついてほしいと思うくらい。
それにひきかえ2歳の娘はというと、肉ばかり食べている。ピーマンの肉詰めをつくると、見事にピーマンだけを残している。息子いわく「肉食女子」。
父としては、野菜をちゃんと食べろよと思っている。
2人合わせればバランスは取れているのかもしれないけれど……今日の晩ごはんはどうしよう?
●ケンゾー
※特定原材料とは、食品表示の一種で食物アレルギーの原因となる食材の使用の有無を、包装などに表示するもの。