やまのあいだファームは、この春、またすこし、かたちを変えます。
スタートは、耕さない、ほぼ自然栽培のような畑でした。しばらくしてべつの圃場で有機栽培がはじまり、瀬戸内との二拠点農業に取り組んだりしているうちに、スタッフの独立や入れ替わりが幾度かあって、体制を変えてきました。そして、これからは、南丹市八木町にあるちいさな畑で、坂ノ途中の生産者窓口という、農家さんとやりとりをしているチームのスタッフと一緒になって、やまあいを運営していくことになります。

あたらしい圃場の準備のために、倉庫や作業場の片付けをしていると、むかし使っていたスコップや、鎌や、獣害対策につかっていたネットなどがでてきて、懐かしい気持になりました。
僕が、最初、やまあいのお手伝いに行ったときは、不耕起栽培を中心におこなっているころでした。スコップのような道具をつかって、畑仕事はそのまま力仕事です。有機栽培を受け持つことになって、マルチや管理機(ちいさな手押しの農機。畝立てや整地、マルチ張りなど、いろいろな作業に使える)を使うようになり、その便利さに驚かされました。その後、トラクターを導入したときは、農業の「進歩」を身体で感じることになりました。

やまのあいだファームは、いつも、坂ノ途中の自社農場としてどうあるべきか、その方向性を探りながらここまでたどり着いた、そう思います。僕自身は、農業のすがたと、農業が支えている社会のすがたについて、いろいろなことを考えさせられる日々でした。
いま、あたらしい仲間をむかえて、これからどのようなやまあいをつくっていくのか、とても楽しみにしています。

●ケンゾー

ながらく書き綴られた、やまのあいだのダイアリーですが、今回の掲載で、しばらくお休みさせていただきます。あたらしいやまあいが落着いたころに、あらためて再開できればと思います。みなさま、ほんとうにありがとうございました。また会う日まで。