今月のコーヒーのお話 vol.3(2021年1月)より

中国の内陸部、雲南のコーヒーの特徴は、なんといってもその独特な香り。実はこの個性は、ある偶然から生まれました。

現地でコーヒーの品質を管理するのは、台湾から技術者として雲南にやってきたソウさん。ソウさんはコーヒー研究家と言っても過言ではないような人。いろいろな品種を育ててみたり、精製方法を変えてみたり、1年で70パターンもの実験を繰り返し、美味しいコーヒーづくりに励んでいます。
ある日、農家さんが持ってきた豆を普段通りに精製してみたところ、いつもと違う、とても個性的な味わいのコーヒーに仕上がったそうです。「なぜだろう?」と調べてみると、その農家さんが収穫した豆をその日のうちにソウさんのもとへ持ちこまず、山の上に一晩放置してから持ってきていたことが分かりました。本来なら収穫してすぐにソウさんのところに持ってきて、果肉除去をするのがルール。この農家さんは少しサボってしまったのです。

でも、ソウさんは思いました。
「収穫後に一定時間熟成させると、あんなふうに面白いコーヒーができるのではないか」

そこから工夫をかさね、低温、密封状態で発酵させ、ほどよく熟成させる方法を編み出します。そうしてできたのが今回のコーヒーです。
コーヒーへのあくなき情熱でさまざまな挑戦をするソウさん。毎年コーヒーの味が変わってしまったらどうしようという心配もしつつ……安定供給と新しい取り組みをバランスよく続けてもらえたらと思っています。

地球温暖化による気候変動で収穫量の減少やコーヒー栽培に適した土地が減ることも懸念されるなか、雲南は新しいコーヒー産地として注目されています。国際規格に沿った安定して均質なコーヒーも大切ですが、私たちはソウさんのような作り手の熱意が映し出されているような個性あるコーヒーを、お届けしていきたいと思っています。


コーヒーへのあくなき情熱でさまざまな挑戦をするソウさん

 

 

産地を旅するコーヒー定期便

美味しさや品質を重視するのはもちろんですが、環境や産地(地域コミュニティ)に配慮したコーヒー豆を取り扱っていることが伝わるよう、みなさまにお届けしたいストーリーを詰め込んだリーフレットも同封しています。「過去にどんなコーヒーがあったのか気になる」という声にお応えして、これまでの内容をご紹介していきます。これまで続けてくださっているみなさんも、こんなコーヒーがあったなと思い出していただけると嬉しいです。

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