雨の日が多くなってきました。
やまのあいだファームは、あちこちに畑があるから、移動に原付バイクを使っています。雨が降っても。
運転していると、雨つぶがふとももにピシッピシッピシッと当たります。雨脚の強いときは、まるでリズミカルに針でつつかれているみたい。でも、雨合羽のおかげでズボンは濡れず、快適です。
外にいることがほとんどなので、防水、防滴、防塵などのラベルの貼られたものに敏感になってしまいました。リュックは完全防水のものを手に入れて使っています。


雨で思い出したことがあります。
母校の敷地に、お気に入りの木がいくつかあったのですが、毎年8月になると様子を見に行く木がありました。1センチほどの小さな実をつける、豆柿の木です。
豆柿にはタンニンが豊富に含まれていて、柿渋づくりには最適。熟していない豆柿を搾り、その搾り汁を発酵、熟成させると柿渋ができあがります。天然の染料。
防水、防腐などの効果があるので、漁網、お酒やお醤油の製造に用いる搾り袋などの染料として、扇子や和傘、木材の塗料として古くから用いられてきました。
柿渋染めは太陽染めともいわれています。太陽の光を浴びて、色がどんどん濃くなっていく。風合いや質感も変化します。たくましい感じ。
わたしは、生き物がつくる、手触りが大好きです。だから、その質までも大きく変えてしまう柿渋染めにすごく心惹かれます。


今年、汚れてしまった白いトレーナーを柿渋で染めました。
寒いときに畑で着ようと思っています。
太陽の下で色が変わっていくことと、ちょっぴり防水性にも期待しています。
ほんの少しの雨なら大丈夫かも、長雨は……きびしいかな。

●ますお