南丹市の八木町、
6月に入って田植えラッシュが一段落。お米の農家さんは、 ほっと一息というところだと思います。 植えたばかりの稲の苗は小さいので、田んぼに張られた水には、 青い空と白い雲、遠くの山々などが映し出されています。 稲がもう少し大きくなると、綠一色になり、 稲がわさわさと揺れて、風が走るのがわかります。
そしてところどころに麦畑。 このあたりでは小麦もたくさん育てられています。 今はちょうど麦の収穫時期だから、 新緑と黄金色のコントラストが少し不思議で、とてもきれいです。
そしてところどころに麦畑。
日々、移り変わる山の姿や空の様子、 田畑の色に見とれてしまいます。
その美しさは、あまり長くはとどまってはくれません。 時間とともに、姿を変えていきます。そこにある一瞬、 その儚さがたまらなく好きなのです。
田舎の風景を指して、昔ながらのと言われることがあります。 都会のように、 新しいビルや道路ができたりするようなところではないので、 昨日も今日も明日も変らない、 昔もきっとこんなふうだったという意味なのでしょう。
でも、それはどこか違うように感じます。 やまのあいだファームのようなところにいると、 自然というものがじっとしていないことがよくわかります。 動いている、変りつづけている。 去年の夏と今年の夏は同じではありません。
その美しさは、あまり長くはとどまってはくれません。
田舎の風景を指して、昔ながらのと言われることがあります。
でも、それはどこか違うように感じます。
80歳まで生きるとして、あと50年。長いようですが、 このような風景はあと50回しか見ることができない。 一瞬の季節を味わいながら、歳を重ねたいと思います。
●あかね
写真/用澤菜奈子