ストーリーとともにコーヒーを厳選して毎月お届けしている『産地を旅するコーヒー定期便』。定期便には、コーヒー産地のお話などを掲載したリーフレットもお届けしています。
今回は、2023年1月号の今月のコーヒーのテーマ豊かな自然を大切にして育てられたコーヒーよりご紹介します。

海ノ向こうコーヒーで出荷を担当しているスタッフ、鎌塚(かまつか)。2022年7月に東ティモール・レヌマタ村を訪問しました。農家さんたちと一緒にコーヒーの畑に行き、はじめて収穫と精製を体験。そのとき一緒に作業をしたコーヒーが、今回お届けする東ティモールの星空コーヒーです。「自分が木から手摘みしたコーヒーが、海を渡り長い旅を経て、いまこうして日本で自分の手の中にある。そう考えるととても感慨深い」と話します。


レヌマタ村は、東ティモールのエルメラ県レテフォホ郡というエリアの山奥にある小さな村。村の人々はほとんどがコーヒー農家で、約20世帯ほどのコーヒー生産者さんがいます。コーヒーの木が植えられている畑は、村から歩いて約5分ほどの、標高1,400〜1,800mの山の斜面にあります。
「7月は例年なら収穫は終わっている時期ですが、雨季が遅れたことでコーヒーの開花も遅れていたため、訪問した時期に収穫作業を手伝えることになりました。到着したらさっそく畑に向かい、真っ赤に熟したチェリーを収穫。すべて手摘みの作業です。木の上の方のものは、一本の竹を木に立てかけ、はしごのようにしてその上をのぼって収穫するのですが、バランスをとるのがとても難しかった……」
びっくりしたのは、収穫したコーヒーチェリーの果肉除去機が、木製で村の職人さんが手作りした手回しの機械だったこと。手作りとは思えない、なめらかな動き。たったひとりの職人さんがつくられているそうです。
「東ティモールでの体験を経て、普段なにげなく手にする輸入品をみても、これはどこで、だれがどうやってつくったのかな。ここにくるまでに、どれだけの人が携わり、どれだけの作業や工程を経てきたのだろう? そんな風に、届くまでの背景を考えるようになりました」
こうして現地の様子をお伝えすることで、コーヒーを飲むみなさんにも、産地のことを想像していただけたら嬉しいです。鎌塚の詳しい産地レポートもよければ読んでみてください。

 

一緒にチェック
スタッフ鎌塚の体験レポート
東ティモールのコーヒーが手元に届くまで。はじめて収穫と精製を体験
 

東南アジアの小さな島国、東ティモールのエルメラ県 レテフォホ。現地のテトゥン語で「高い山」を意味するレテフォホは、その名前の通り、雲海を見下ろすほど標高の高い地域です。昼と夜の寒暖差が大きく、コーヒー栽培に適した土地。夜には満天の星空が広がり、南十字星が輝く……そんな光景から「星空コーヒー」と名づけました。今回お届けするのは、レヌマタ村の農家さんとスタッフ・鎌塚が一緒に収穫作業をしたコーヒーです。
レテフォホでは、農薬や化学肥料は一切使わずにコーヒーを栽培しています。レヌマタ村の畑では「ビオポリ」が活躍しています。ビオポリは、コーヒーの木と木の間に縦横50cm〜1m、深さ50㎝ほどの穴を掘り、落ち葉や雑草、家畜の糞などの有機物を埋めたもの。土壌侵食を防いだり、土壌の保水性を高めてくれます。また、埋めた有機物が腐葉土となることで、コーヒーが育つための栄養になります。
こうして自然の力を借りながら、村の人たちの手で思いを込めてつくられたコーヒー。ゆっくり味わってください。

焙煎士・なおさんより


焙煎度:中深煎り
精製方法:ウォッシュド
苦味:●●●◯
酸味:●●●◯
フレーバー:アップル、アーモンド
栽培:JAS認証取得

 

おいしい淹れ方 ~香りを引き出す~

・コーヒー 20g (中挽き)
・湯の温度 90℃
・投入湯量 約260ml(蒸らし除く)

お湯は3回に分けて注ぎます。
1. コーヒーの粉全体がしめるようにお湯を20mlほど注ぎ、40秒蒸らします。
2. 「の」の字をえがくように、ドリッパーの真ん中に120ml注ぐ(目安時間1分20秒)
3. ②と同様に、80ml注ぐ(目安時間2分)
4. 残りの60mlほどお湯を注ぐ。お湯をすべて落とし切らずサーバーに250ml抽出できたらドリッパーを外して完成(目安時間2分40秒)

Point
あまりゆったりしていると味が濃く出すぎるので、さっと速めに抽出することで、マイルドに仕上げます。りんごのような爽やかな酸味も引き出せます。

産地を旅するコーヒー定期便

美味しさや品質を重視するのはもちろんですが、環境や産地(地域コミュニティ)に配慮したコーヒー豆を取り扱っていることが伝わるよう、みなさまにお届けしたいストーリーを詰め込んだリーフレットも同封しています。「過去にどんなコーヒーがあったのか気になる」という声にお応えして、これまでの内容をご紹介していきます。これまで続けてくださっているみなさんも、こんなコーヒーがあったなと思い出していただけると嬉しいです。

▼月に1度おすすめのコーヒーが届く定期便の詳細はこちら