2021年2月1日、世界中がコロナの影響で大変な時期を迎えている最中に、ミャンマーで起きたクーデター。この知らせが飛び込んできたとき、ミャンマーのコーヒー農家さんや、産地と海ノ向こうコーヒーをつないでくれているパートナーさんの顔が頭に浮かび、心配でたまらなくなりました。農家さんは無事なのか?

「大丈夫、みんな無事ですよ。平和的にデモ活動をしながら、農作業もつづけています。夏には日本にコーヒーを届けられるから、楽しみにしていてください」
パートナーであるジーニアスコーヒーのチャインコーさんからそう連絡を受けて、ほっとした気持ちになりました。そしてその言葉の通り、夏に届けてくれたコーヒーは、昨年よりも良い仕上がりで私たちは感動しました。輸入の手続きも、銀行の閉鎖などの影響は受けたものの、現地のスタッフの皆さんの素晴らしいチームワークで、混乱もなくスムーズでした。

でも、続くコロナの影響。そして軍事政権下にあるミャンマーの状況に、ジーニアスコーヒーや農家さんはとても苦しい時期を過ごしています。

坂ノ途中のパートナー ジーニアスコーヒー

ユアンガンにあるコーヒーの加工場

農家さんが家の庭先にある畑で作ったコーヒーの実を買い取り、発酵や乾燥などの加工を担っているのが、ジーニアスコーヒー。坂ノ途中のパートナーです。ジーニアスコーヒーと坂ノ途中は、数年にわたり一緒にミャンマーのコーヒーの品質向上に取り組んできました。2021年には、村に小さな加工場を作って、農家さんの収入向上とコーヒーの品質の向上を目指すというマイクロミルプロジェクトも実施し、連携を深めてきました。

(左から)坂ノ途中代表小野、生産者チョウゼンさん、ジーニアスコーヒー代表トゥンさん

ジーニアスコーヒーが加工した生豆(焙煎前のコーヒー豆)は、私たちが買い取るほか、彼ら自身がミャンマー国内で焙煎や商品づくりをして販売してきました。
ですが、今年は、国内ではコーヒーが全然売れないのです。

「コーヒーが売れない。たくさん余って困っている。」
ジーニアスコーヒーから助けを求める連絡がありました。

なぜコーヒーが売れないのでしょうか。

ミャンマーの経済状況についてみてみると、ミャンマーの今年のGDP成長率は-18.4%の予測と発表されています(アジア開発銀行より)。また、国連開発計画(UNDP)は、国民の半分が貧困に逆戻りするという見方を示していて、経済的に大変厳しい状況になっていることがわかります。

ミャンマー国民の生活はどうでしょうか。
現在、ミャンマーでは銀行から現金を引き出すことができません。また、輸入に頼っている生活資材は、経済制裁やチャット安の影響で価格が高騰しています。加えて、2020年7月中旬~9月中頃はコロナ第3波でロックダウン。都市部では失業者が増え、農村部でもロックダウンによる移動制限の影響で市場にアクセスできず収入が得られない状況が続いていました。

コロナによる経済への影響、そしてクーデターによる混乱、軍事政権下で先の見えない不安感。いつもはカフェで甘いコーヒーを飲むのが大好きなミャンマーの人たちも、今この状況では、コーヒーを楽しむ余裕がありません。

一緒にこの状況を乗り越えたい

農家さんやジーニアスコーヒーがつくった美味しいコーヒーを楽しんでくれる人が、ミャンマーには今いない。
それなら、私たちがたくさん買い、日本のみなさんに美味しく飲んでもらいたい。

いつも美味しいコーヒーをつくってくれる農家さんやジーニアスコーヒーさんと、これからも美味しいコーヒーを届けてもらうために、今この困難をなんとか一緒に乗り越えたい。

私たちにできることは、ミャンマーのコーヒーをたくさん買い、お客様に届けること。
ミャンマーのコーヒーを飲んで産地をサポートしたい。

坂ノ途中は、ミャンマーから追加でコーヒーを輸入することに決めました。
日本では報道も少なくなる中、一人でもたくさんの方に、ミャンマーに想いを馳せて欲しい。
ミャンマーに平和が戻ることを願って、いま産地のみなさんにエールを送りたい。

みなさんにも、力を貸していただきたいです。
海ノ向こうコーヒー、チーム一丸となって美味しいコーヒーをお届けしますので、日常のなかで、美味しくミャンマーコーヒーを楽しんでいただければ嬉しいです。

 

パートナー・ジーニアスコーヒー


ングウェトゥンさん

ジーニアスコーヒーの代表。ミャンマーのユアンガン地域に誇れる産業を作るという熱い思いを持った人です。農家さんのこと、地域の若者のことを思いながら、事業をどんどん拡大させる推進力のある人。

チャインコーさん

ジーニアスコーヒーで、コーヒーの品質管理を担う人。物腰のやわらかい優しい人ですが、コーヒーの品質に関しては厳しい目でチェックし、出来る限りの力を尽くしてくれる頼りがいのあるパートナーです。

 

コーヒー農家さんたち


チョウゼンさん

地域の森林を守る活動をしている、コミュニティのリーダー。森の中でコーヒーを育て、それを地域の人びとの収入源としながら、森林伐採を防ぐことを目指しています。きびきびと森の中を歩き、私たちに生産現場を案内してくれました。ゼロからのコーヒー生産は苦労が絶えないですが、根気強く前向きに取り組んでいる姿を見て、応援したくなりました。

アグナインウーさん

レーカイン村のコーヒーのリーダー。地域の人たちを巻き込みながら、美味しいコーヒーづくりを目指しています。レーカイン村の豊かな自然環境を守ることも大切に、環境に配慮したコーヒー生産をしています。物静かなアグナインさん。リーダーの風格のある人でした。

ミャーティさん

タンポージ村のミャーティさん。元はお茶の行商をしていて、コーヒーには興味がなかった彼は、ジーニアスコーヒーの運営するカフェで飲んだコーヒーの美味しさに感動し、コーヒー作りをはじめました。明るい笑顔で大切に育てたコーヒーを見せてくれた姿が印象に残っています。

 

海ノ向こうコーヒーのミャンマーコーヒー

精製方法や焙煎度の異なるコーヒーを2種類ご用意しています。手軽に楽しめる商品もご用意しています。お好みにあわせて、また気分にあわせて楽しんでください。

■ミャンマーの庭先コーヒー

ハニープロセスという精製方法で加工したコーヒーを中煎りで焙煎しました。リンゴのようなさわやかな酸味。やわらかい口あたりと長く続く甘みが特徴です。
酸味のあるコーヒーや、コーヒーの苦味が苦手な方におすすめ。

焙煎度:中煎り 苦味:●●〇〇 酸味:●●●〇 フレーバー:青りんご、トースト、はちみつ
 

■ミャンマーのレーカイン村コーヒー
※2021年に発生したクーデターの影響で、販売を停止しています

レーカイン村のアグナインウーさんのコーヒー。ウォッシュドプロセスで加工されています。 中深煎りで、酸味と苦味のバランスが良く、すっきり飲みやすい味わいで、お食事後の一杯にもおすすめです。
ほどよい苦味と甘みがあり、くるみのような風味が感じられるので、ナッツ入りのお菓子とあわせてみてください。

焙煎度:中深煎り 苦味:●●●〇 酸味:●●〇〇 フレーバー:青りんご、くるみ

■ホッとひといきコーヒーバッグ

ティーバッグのようにお湯に浸して飲むタイプのコーヒー。2種類の精製方法のミャンマーコーヒーをブレンドしました。
袋を開けるとふわっと広がるコーヒーの香り。苦味も酸味も控えめでバランスよくブレンドしたので、飽きの来ない味わい。飲んでいただければ、「ホッとひといき」という名前にした理由を実感してもらえると思います。ちょっとした手土産にもおすすめです。
美味しく淹れるコツは、浸してから3~5分しっかり待つことと、取り出す前に軽くコーヒーバッグを振ることです。
 

■カフェオレベース

京都の珈琲焙煎所「タビノネ」さんとのコラボアイテム。ミルクで割って自分好みのカフェオレを楽しむことができます。コーヒーはミャンマーのコーヒー豆を100%使用。自分でコーヒーを淹れない方でも、ミャンマーのコーヒーを味わっていただけます。

 

 

■業務用にも
飲食店さんや小売店さんへの珈琲焙煎豆の卸売り、コーヒーバッグのオフィスへの納品、ギフト用の大口のご注文も承っております
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