広報 松田 真弓


残暑の日差しがまだまだ厳しい8月下旬、大阪府南東部の南河内(みなみかわち)郡の「かうち彩園」さんにお邪魔しました。(法人名:合同会社かわち夢楽さん)

登山道のような道をうんしょと登っていくと、突然視界がひらけ、畑が広がっていました。大阪府最高峰である金剛山のおとなり、5月に真っ赤なツツジの花が燃えるように咲くことで有名な葛城山のふもとに、かうち彩園さんの畑はあります。標高は250m、大阪市内とくらべると気温が2℃ほど低いのだそうです。

育てられているのは、ピーマン、バターナッツかぼちゃ、鷹の爪、なす、丸ズッキーニ、菊芋、たけのこ、しいたけ、赤水菜、赤軸のサラダほうれん草、小カブ(あやめ雪)、オクラ、イタリアントマト、きゅうり、じゃがいも、ハーブ(バジル、セージ、タイム、ミント3種、セロリなど)……とにかく多品種。定番野菜も珍しい野菜も、いろんなものが元気いっぱいです。

山の斜面を切り拓いて作られている日当たりの良い畑を進んでいくと、どこからかちょろちょろと水の音が……。畑の間を流れる沢を発見。

ひゃー、透明でとても冷たい。この沢は葛城山の湧き水、斜面の下方に向かって流れて行きます。畑にもこの沢の水を使っているそう。サワガニがゆったりとマイペースに流れを渡ります。(サワガニさんはフレームアウトしてしまいました…)

「水、きれいでしょう。この土地に惚れて、ここで畑をはじめたんです」

案内してくださったのは、峰 祐介さん。かうち彩園さんは、峰さんの大学時代のご友人で農学博士の西岡秀明さんと、地元の農家さん(大浦薫さん)と峰さんの3人でスタートしたそうです。峰さんは畑の仕事以外にマルシェの出店、飲食店さんとのやりとり、SNSの運用など、営業・PR系を一手に担っているとのこと。マルチなご活躍です。

峰さん、大学は農学部(いも専攻)だったということで、農業ひとすじで歩んでこられたのかと思いきや、なんと前職は大阪府堺市のバスの運転手(!)。その前は香川県の農業法人で修行し、いつか自分で畑をすることを目指してきた峰さんが運転手の仕事に就いたのは「農家になったときに2、3年無収入でも大丈夫な蓄えをしておきたかったから」だそう。運転手をしながら半農半Xで畑をはじめ、しばらくしてバス会社を退職。農業に専念し、約1年が経ちました。

かうち彩園さんは、とにかくオープン。マルシェでお客さまと会うだけでなく、お客さまに畑まで来てもらう「収穫体験つき里山BBQ」も開催されています。野菜の収穫やBBQ、流しそうめんまで楽しめるイベントで、極めつきはプロドライバー峰さんが運転するマイクロバスでの送迎つき(大阪市内往復)!これはもう旅行会社のツアー並。これまで2回開催され、「私も次は絶対参加したい!」と心に決めたほど素敵すぎるけれど、なぜ農家さんがここまでするのでしょうか?

「どういうところで育てているのか知ってもらえたら嬉しい。直接伝えたいからマルシェも出店しつづけています。有機JASの認定をとっている畑でも、実は必要以上に肥料をやりすぎていて、環境に全然優しくないということもある。どんなところで、どんなものを使って、どのように育てているのかは、実際に見ないとわからないと思うんですよね」

さらに「農業を、若い人がやりたいと思う仕事にしたい」と、峰さんは話します。子どものときに収穫体験で出会った農家さんがかっこいいなと思ったら、将来の仕事の選択肢にも入りそうですね。かうち彩園を、若い人を農業人として育てていく場所にしたいという思いも語ってくださいました。

かうち彩園の「彩・さい」は、山や畑の多彩な色を表し、いろんな人が集まるという思いを込めて「彩・いろどり」という字を使っているのだそうです。人と自然の繋ぎ目のような場所でした。


天に向かってまっすぐ伸びる菊芋。私の身長(163cm)よりもかなり高く、2mくらいありそうです。何かに似てるなぁ……と思ったら、菊芋はキク科ヒマワリ属。佇まいがヒマワリそっくりですね。収穫が楽しみです!