vol.6

離乳食のすすめかた

赤ちゃんってとても小さくてやわらかくて、ちょっとしたことでもどうにかなってしまいそうで、不安になりますよね。
はじめての食事も、これで正しい合っているのかな? 食べさせて大丈夫かな?と。
でも、これだけは守って! というきまりごとは案外少ないのです。

すすめかたの基本

離乳食をすすめていくうえで、押さえておきたい基本のポイントは3つ。

1. はじめて食べるものは少しずつ


赤ちゃんの消化器官は未熟で、いろいろな反応が起こりやすい時期です。

大豆やお肉、お魚など、アレルギーを引き起こしやすい食材をはじめて食べる物は小さじ1杯くらいにしておきましょう。
お野菜などはこの限りではありません。大丈夫そうであれば1日1つずつ、新しい食材をどんどん試してみてください。

2. 授乳は離乳食のあとに

お水をいっぱい飲んだ後に、ごはんをは食べられませんよね。
赤ちゃんも同じで、母乳やミルクをたくさん飲んだあとにはあまり食べられません。
空腹はお食事を美味しいものに変えてくれます。

3. 必要以上にアレルギーを怖がらず、月齢に合わせた食材を取り入れて

「アレルギーが怖いので、1歳までタンパク質を多く含む食材は食べさせないようにしています」というお話を聞くことがあります。
食べはじめる時期を遅らせても、アレルギーの発症リスクは低くなりません。
発育のために必要な栄養もあります。食べられる月齢になったら、卵やお魚、お肉などもきちんと食べていきましょう。もちろん、食べはじめは少しずつ、様子を見ながらです。

月齢ごとの離乳食のポイントやすすめ方はこれからのコラムでお伝えしていきますが、赤ちゃんの食べる動作の成長も、食の好みも、食欲も、ひとりひとり違っているということを忘れないでいただきたいです。
子どもと向き合うこと、その子に合った離乳食を、お手伝いしたいと思っています。

 

絶対に守らなければいけないこと

「はちみつは1歳になってから」

はちみつには、ボツリヌス菌という細菌がいることがあります。
ボツリヌス菌は1歳未満の赤ちゃんの未発達な胃腸では増殖し、乳児ボツリヌス症という病気を引き起こす可能性があります。
熱に強いので、通常の加熱や調理では死滅しません。離乳食にはちみつは使わないように、はちみつ入りの飲み物やお菓子なども与えないでください。
もし食べてしまった場合は様子を見て、脱力し反応が鈍いなどの症状が出ている場合には病院へ。
※1歳をすぎるころには腸内環境が整い、ボツリヌス菌が体内に入っても増殖を防ぐことができるため、ボツリヌス症を起こすことはなくなると言われています。

ボツリヌス菌は自然界、特に土壌に生息している菌です。
はちみつのほか、井戸水などもリスクがあるとされています。
野菜を食べるときにも、よく洗って衛生的に調理する、お料理はすぐに食べる、または冷凍保存することによって菌の増殖を防ぐことが大切です。

 

執筆:奥野由(おくのゆい)
大学で栄養学を学び管理栄養士の資格を取得。食品メーカーで商品開発として楽しく働いていたが、出産を機に「子どもと食」への興味がむくむくと膨らみ退職。離乳食や幼児食の勉強をはじめる。母子栄養指導士の資格を取り助産院などで教室を開催しつつ、坂ノ途中と一緒にベビーフードの開発をしている。あだ名は「ちゅい」。その由来もいずれこのコラムで明らかになるかも……?