「料理ありきなんですよ」
どうして器が好きなんですかと訊ねると、まゆみさん(横澤真弓さん・法人窓口チームマネージャー)は、少し照れてそう言った。
「和食が好きで、作るのも和食中心。料理の色合いが地味なんですよ。でも、お皿次第でそれがすごく美味しそうに、素敵になるんですよね」
野菜が好きなのは当たり前だとしても、その野菜の料理を盛り付ける器・お皿も好きという人が坂ノ途中にはいます。
今回の坂ノ途中だよりは、そのひとり、まゆみさんの焼物愛のお話です。

「器に興味を持ったのは10年ちょっと前です。インテリアコーディネイターの方のブログに出会って、そこで紹介されていた器がとても素敵だったんですね。
福岡県の小石原焼っていうもので、それを買ったのがはじまりです。
いろいろ器のことを勉強したくなって、ネットで調べたりしているうちに、丹波篠山のハクトヤさんっていうお店を見つけたんです。行ってみたら、感動するくらい素敵。
そのあとにハクトヤさんのブログを読んでいたら、ある日スタッフ募集って書いてあって……働くことになりました。
だから、私、焼物のことは全部ハクトヤで学んだんですよ。産地のこと、その特色、伝統的な技法、いろいろな作家さんのものとか。知識だけじゃなくて、実際に見て触ることができた」

ハクトヤさんの店内。いろいろな器や雑貨が並びます

「好きな焼物はいっぱいあります。熊本の小代焼、大分の小鹿田焼、兵庫県の立杭焼、島根の温泉津焼、ほかにもたくさん。店も覗くし陶器市も行くし、窯元もよく訪ねます。
こだわりは日本のもの、それで陶器。あと普段使いができるもの。眺めて愛でるのじゃなくて、料理を盛ることが目的なので。だから洗いやすさ、重さ、みたいな実用性は大事です。そして高いものには手を出さない。割れたらショックじゃないですか。

どこに惹かれているか? ねえ、どこなんでしょう……土っぽさでしょうか。土からできていることを感じられる焼物だから、野菜ともつながるのかな。野菜も陶器も土から生まれる、なんか一緒だな、相性いいなと思います」

法人窓口チームマネージャー 
横澤 真弓