坂ノ途中のコーヒー部門「海ノ向こうコーヒー」には、毎月2種類のコーヒーをセットにしてお届けする『コーヒー定期便』があります。

美味しさや品質を重視するのはもちろんですが、環境や産地(地域コミュニティ)に配慮したコーヒー豆を取り扱っていることが伝わるよう、みなさまにお届けしたいストーリーを詰め込んだリーフレットも同封しています。「過去にどんなコーヒーがあったのか気になる」という声にお応えして、これまでの内容をご紹介していきます。これまで続けてくださっているみなさんも、こんなコーヒーがあったなと思い出していただけると嬉しいです。

 

はじまりの場所、ロンラン村
今月のコーヒーのお話 vol.1(2020年11月)より

海ノ向こうコーヒーのはじまりのお話はご存知でしょうか?

もともとは、コーヒーをつくろうとしていたわけではなく、「ラオスの森林減少の改善のために何かできないか」と相談を受け、現地を訪れたことがきっかけでした。森とともに生きてきた現地の人々の暮らしは、人口の増加や貨幣経済の流入により変化を迎えていました。伝統的な焼畑農業のサイクルの加速や、その代替農法としての大規模プランテーションにより森が失われつつあったのです。

ふと森に目を向けると、大きな木々の間に小さなコーヒーの木が植わっていました。昔ヨーロッパの方が苗を配って育て方を伝えてくれたものの、多くの木はほったらかしになっていました。日陰を好むコーヒーは森の木々の下で育てるのにぴったり。そこで、森林を守りながら作物を育てる「アグロフォレストリー」の手法を用いて、コーヒーをきちんと栽培・収穫し、品質向上に努めれば、森林を伐採することなく安定した雇用と収入を生み出せるのではないか……これが、海ノ向こうコーヒーのはじまりでした。

2017年、ロンラン村で農家さんたちと一緒にコーヒーの苗を植えました。その苗が成長しコーヒーが収穫できるのは来年(3年かかります)。一緒に育てたコーヒーを皆さんに飲んでもらえる日を夢みて、産地の皆さんと一緒に引き続き取り組んでいきたいと思います。

今年は、コロナの影響で産地にとっても大変な年になりました。ラオス北部ルアンパバーンは世界遺産のある観光都市。観光客が激減したため、現地でのコーヒー販売が思うようにすすまず苦労していると、私たちにSOSが来ました。産地でお母さんたちが丁寧に摘んでくれた美味しいコーヒーを無駄にしないためにも、いつもよりたくさん、コーヒーを買うことにしました。買ったコーヒーを皆さんにきちんとお届けしていくことが、海ノ向こうコーヒーの使命だなあと感じています。

 

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