カフェや焙煎所のメニューで目にする、浅煎り、中煎り、深煎りといったコーヒーの焙煎度。なんとなくは知っているけれど、どうやって選べばよいのか分からない……そんな方も多いのではないでしょうか。
坂ノ途中OnlineShopでも、それぞれのコーヒーに焙煎度を掲載しています。とくに焙煎はコーヒーの個性を引き出す大事な工程の一つ。今回はこの「焙煎度」について、焙煎チームの仕事とともにご紹介します。
コーヒー豆の焙煎とは
コーヒーはもともと、さくらんぼのような赤い果実の種。収穫した果実から種を取り出し、乾燥させる工程(精製)を経て、「生豆(なままめ)」になります。日本にはこの生豆の状態で届くことが多く、焙煎されてはじめて、おなじみの香ばしく茶色いコーヒー豆になります。
生豆は全体的に緑がかっているものが多いです。
焙煎中は、熱によって豆のなかでさまざまな化学反応が起こり、酸味や苦味、香りが生まれます。
焙煎士(コーヒー豆を焙煎する人)は、豆の色や弾ける音(爆ぜる音)を細かく確認しながら、その豆にとって最適な焙煎度に仕上げていきます。坂ノ途中でも、専門のスタッフがそれぞれの豆の味わいや香りが最も引き立つ焙煎度を決めています。
焙煎度とは
焙煎度は正式には8段階ありますが、大きく分けると浅煎り、中煎り、深煎りの3段階。焙煎度が浅いほど酸味が強く、深いほど苦味が強くなります。
浅煎り

酸味やフルーティさが特徴の浅煎り。豆本来の風味や香りを味わうことができます。
中煎り

ほどよい酸味、ほのかな苦味と甘味で、バランスのいい中煎り。朝の一杯にも、午後のリラックスタイムにも。どんな場面にもなじむ味わいで、広く親しまれています。
▼中煎りのコーヒー
▼坂ノ途中では中深煎りも人気。ラインナップも豊富です。
深煎り

酸味が少なく、苦味と香ばしさが際立つ焙煎度。カフェラテやアイスコーヒーで楽しみたい方にもおすすめです。
朝の目覚めにすっきりしたいなら浅煎り、ほっと一息つくなら深煎り。
そんなふうに気分やシチュエーションに合わせて焙煎度を選ぶと、コーヒーの楽しみもぐっと広がりますよ。
▼深煎りのコーヒー
坂ノ途中の焙煎所をご紹介
現在、坂ノ途中の焙煎所では、5名のスタッフがコーヒー豆の焙煎や品質チェックを担当。なかでも、毎月さまざまなコーヒーをお届けする「産地を旅するコーヒー定期便」は、焙煎チームの腕の見せどころです。
この定期便では、坂ノ途中のスタッフが通うアジアのコーヒーや、世界中から集めた個性的なストーリーを持つコーヒーのなかから、2種類を選んでお届けしています。
焙煎度を決める、3つのプロセス
毎月、どのコーヒー豆をお届けするか決めてから、その豆の味わいを引き出すのにぴったりな焙煎度を考えます。焙煎度を決める流れは大きく3つのプロセスに分かれています。
まずは小さな焙煎機で浅煎り、中煎り、深煎りの3段階で焼いて、豆が本来持つ酸味や甘味と、焙煎による苦味がバランスよく引き出される焙煎度合いを決めます。
カッピング(官能評価)をして、香りや味わいを細かくチェックします
次に、大きな焙煎機を使って、焙煎温度を2度ずつ変えながら焼き分けて、味や香りの微妙な変化を見極めます。ベストな焙煎温度や焙煎時間を決めたら、日々の気温や湿度に合わせて焙煎をして、毎回同じ味わいになるように仕上げます。
最後に、焙煎度という観点からコーヒーを楽しむポイントについて、生産管理を担当する岩崎さんに聞きました。
「焙煎度によって、苦味、酸味、甘味のバランスが変わります。この違いを知るためには、実際に飲みくらべてみるのがいちばん。自分の意外な好みが分かったりするかもしれません。お気に入りの焙煎度が分かったら、お店でコーヒーを注文するときにも選びやすくなります。ペアリングの楽しみも広がりますよ。」