産地や焙煎度、抽出方法などによって、味わいに違いが生まれるコーヒー。坂ノ途中OnlineShopで販売しているコーヒーにもそれぞれ個性があり、商品ページでは、焙煎度や苦味・酸味のつよさ、フレーバー、精製方法についての情報を掲載しています。
この「精製方法」は、もしかすると、あまり聞き慣れない言葉なのではないでしょうか。今回は、コーヒーの精製とは何か、精製にはどんな方法があって、コーヒーの味わいにどう影響するのか、ご紹介したいと思います。
コーヒーの精製とは
茶色いコーヒー豆からは想像がつきませんが、コーヒーは、「コーヒーノキ」という木になる果実の種子。コーヒーノキは、ジャスミンのような白い花を咲かせたあと、さくらんぼのような赤い実をつけます。この赤い実を収穫し、現地で精製したものが日本へ届き、焙煎を経て、私たちがふだん目にするコーヒー豆になります。
今回のテーマ「精製」とは、コーヒーの実から種を取り出し、乾燥させる工程のこと。産地や農園によって方法はさまざまで、いろいろな工夫がされています。
ちなみに…… コーヒーの実(コーヒーチェリーとも呼ばれます)から取り除かれた皮と果肉(カスカラ)は、一部堆肥として活用されることもありますが、ほとんどが使い道がなくて捨てられてしまいます。 このカスカラの可能性を広げるために商品化したのが、カスカラシロップやカスカラコーラ。ドライイチジクやあんずのような甘酸っぱい味わいは、コーヒーって果実なんだ、ということを感じさせてくれます。 |
それぞれの精製方法の違い
精製にはいろいろな方法があり、コーヒーの味わいも大きく変わります。今回は、坂ノ途中OnlineShopで販売しているコーヒー豆の精製方法についてご紹介します。
●ウォッシュド

コーヒーの実の果皮・果肉部分を除去し、水で洗い、ミューシレージという粘液質も取り除いて、パーチメント(種を覆う皮)だけがついた状態で乾燥させるのが「ウォッシュド」です。
果肉が取り除かれた状態で乾燥させるので、すっきりとした酸味があり、クリアな味わいが特徴です。
▼ウォッシュドのコーヒー
●ハニープロセス

コーヒーの果皮・果肉を除去した後、ミューシレージを残した状態で乾燥させる方法です。ミューシレージには糖分が含まれ、乾燥中にこの糖分がゆっくりと種に浸透していくことで、はちみつのような甘みのある味わいのコーヒーになります。
▼ハニープロセスのコーヒー
●ナチュラル

コーヒーを果実の状態でそのまま乾燥させる方法です。ウォッシュドやハニープロセスに比べて水をあまり使わずにすむため、水が手に入りづらい産地でも精製加工ができるというメリットがあります。果実由来の甘みや、ベリー系の風味があるコーヒーに仕上がります。
▼ナチュラルのコーヒー
●スマトラ式

マンデリンで有名な、インドネシアのスマトラ島を中心に行われている方法です。コーヒーの実を収穫して果肉を取り除いた後、ミューシレージが付いたまま乾燥させ、半乾きの状態で脱殻。生豆とよばれる状態で再度乾燥させます。雨が多い土地柄、乾燥期間を短くするために考案された方法で、どこか土っぽいような、ハーブのような、独特の風味になります。
▼スマトラ式のコーヒー
コーヒー豆の精製方法は、産地やその土地の環境、生産者さんによってさまざまです。風味の違いをたしかめながら、それぞれの産地に思いを馳せるのも、コーヒーの楽しみかたの一つかもしれません。