釜焼きのピザと野菜料理が名物の人気店、エンボカ京都さん。
お料理の美しさ、美味しさがどんなこだわりから生まれるのか?
そんなことを伺いに訪ねてきました!

 

 

小野:エンボカさんってどんなお店ですか?とゆーところからお聞きしたいです。
今井:そうですね。うちは石窯で焼くピザがメインなんですけど、
そのほか同じ石窯で野菜を焼いたりとか、ものすごいシンプルな料理をしてます。
ピザってすごくいいなって思ってるんです。
釜で焼くっていう、プリミティブな(素朴、原始的な)料理なんですけど、
子どもからおじいちゃんまで誰でも喜んでくれる食べ物なので。
野菜は直接農家さんのとこに探しにいったり、坂ノ途中さんのお野菜を使わせてもらっていたりしますね。
坂ノ途中さんは、理念とか野菜に対する考え方とかリスペクトしてて、
自分の中では盟友と思っておつきあいさせてもらってます。
特に同世代で新しい働き方を自分たちで見つけていて、
世の中に対してアピールしていてすごいなあ、っていつも思ってますね。
小野:ありがとうございます。なんか照れますね。笑。
今井:もともと、僕は大学で社会学を勉強していたんですけど、野菜とか発酵とかそういうのが好きでこの道に入ったんです。調理師学校行ったわけでも、レストランで仕事していたわけでもなくって、ほんとに料理も独学で。
ちょっとづついろんな人に教えてもらって勉強してきましたね。
軽井沢のエンボカで料理をはじめたとき、同時に、自分たちで畑借りて野菜を作りはじめたんです。
なので僕の中では「いい野菜に触れること」と、「料理をすること」はほぼ同次元なんです。
車輪の両輪という感じですかね。
坂ノ途中さんは自分たちで(農家さんから直接)野菜を集めて持ってきてくださるんで、畑の状況とかも聞けけるのがうれしい。最近では農家さんが配達のアルバイトをしてるのかな?
直接来てくれることもあって、そういうの素敵だなーって思って。
それ以外は自分で農家さんのところにいって仕入れてますね。今日も音吹畑さんに行ってきました。
小野:大原では音吹畑さんよくいくんですか?
今井:そうですね。絡みやすいっていうか(笑)
小野:たしかに。あのフレンドリーさはなんなんでしょうね。
今井:超いい人っすよね(笑)
なんていうか、料理って、今の暮らしの中で、自然と人間が繋がってられる数少ないメディアの中のひとつだなって思うんです。
竹の子がでてきて、菜の花が咲いて、っていう、ずっと続いている自然の営みが、人間の暮らしに繋がっているということが、今もリアルに感じられるのが「料理」なんですよね。
でも、今そう感じて食べてる人って少ないと思うんで、すごく伝えて行きたいなと思ってます。
なので、畑に生えている様とかを料理の中で表現できるように工夫してますね。
小野:なるほど。
僕もどうして「坂ノ途中」を始めたんですか?とかよく聞かれるんですけど、
安心・安全なものを!というよりは、環境目線からはじまっていて、
農業が人と自然との結び目だと思って今の仕事をしています。
今井さんの「料理が自然と人間をつないでるもの」ってとのすごく納得しますね!
今井:イエー!!だよねー(笑)このくらいしか自然との繋がりってないですもんねー。
小野:お休みの日でも食材とか探してたりするんですか?
今井:そうですね~食材を探してるってより遊び歩いてる感じですね。農家さんのところへ行くのも遊びですからね(笑)
小野:はは。おもしろいですね。僕らの集荷ルートにも一緒に来てくれたことありましたよね。
今井:そうですね。普通の八百屋さんならFAX送ったら次の日に野菜届くんですけど、
たぶん坂ノ途中のしていることって全然違うくって、その意味を理解して伝えたいなと。
小野:そういえば、今井さんは普段何食べてるんですか?
今井:僕、普段あんまりメシ食べないんですよ。
小野:え?そうなんですか。
今井:朝、出先でちょっと軽く食べたり、3時頃にまかない食べたりして、あとはずっとお酒飲んでるだけですね。
小野:(笑)やはりお酒もこだわってるんですか?
今井:ワインはビオを扱ってます。ワインも野菜と近いものがありますね。
土づくりでブドウを育てて、そのブドウをしているだけですから。すごい素敵だなと思いますね。
ビールはベルギービールを扱ってます。地酒に近い感覚で、村ごとに違う個性のビールがあっておもしろいです。
海外からの影響、身近な自然を料理で表現。
小野:今井さんは今後の展開とか、どんなふうに考えているんですか?
今井:そうですね、海外で店できたらいいなって思いますね。
先月パリに行ってきて、料理の勉強していて自分のやっていることがどこまで通用するのか試したいなと思いましたね。
どれだけパリジェンヌをキャッキャ言わせてあげられるのか、みたいな(笑)
去年、コペンハーゲンのノーマ※に行ったんです。(※サンペレグリノ世界のベストレストラン50で首位3連覇に輝くレストラン)
その料理がすごい勉強になって影響を受けたことが、海外で挑戦したいと思うきっかけになりましたね。
ノーマでは、地域の食材をふんだんに使うんだけど、料理として北欧が表現されているんですね。
なんていうか、アートそのものという感じで、
地域の自然の恩恵を受けながら生きていくということが、直感的に伝わるっていうか。
「こういうことが自分でやりたかったことだ」っていうのを気付かされました。
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[写真左]【牛肉の叩き】 干し草を使って牛肉を炙ったハーブのソースとタイムソルト。 「自然」と「料理」のつながりは、視覚からも楽しめます。 [写真右]【人参のスープ】 京都、大原の有機農家さんが作ってくれる人参のスープと、人参の葉のピュレとブラックオリーブを乾かして砕いたもの。 周りを飾る人参の葉は、畑のように青々としていて、人参の色を引き立てます。

ひとつひとつのアイテムにこだわりが感じられる大人な雰囲気の店内です。お店の奥には手作りの釜が!

 
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エンボカ 京都 (enboca)
TEL / 075-253-0870(予約制)
LUNCH / 11:30~14:00(L.O) 土日祝のみ
DINNER / 17:00~22:00(L.O)
定休日 / 火曜日、第1・3水曜日
住所 / 京都府京都市中京区西洞院六角下ル池須町406
 
 
▽旬の野菜が届く、坂ノ途中の「定期宅配」はこちらから。