気候や土壌と向き合い、環境に配慮して育てられたお米の定期宅配「田んぼと食卓むすぶお米」。
それぞれのお米の産地の景色やつくり手の想い、味わいをご紹介します。

高知の米どころ。四万十川にそそぐ、神ノ川のほとりで

深い緑の山野のあいだを、四万十川の本流と、その支流がながれゆく、高知県四万十町。山に囲まれた地形がもたらす昼夜の寒暖差、一年の寒暖差、そして豊かな水が、農作物をおいしく育てます。生姜やにらの産地として、そして米どころとしても、県内ではよく知られる土地です。

この町へ2011年に移り住み、農業を生業として暮らす、恵菜(けいな)ファームの吉田明さん、瑞枝さん夫妻。森の水をあつめて四万十川にそそぐ、神ノ川(ごうのかわ)のほとり、南北にひらけた陽当たりのよい谷あいで、お米や野菜を育てています。

屋号の「恵菜ファーム」に込めたのは、縁のあった方々からうけた恵み、自然の恵みとともに作物を育てる、という想い。「自分たちがつくっているという、おごった気持ちでいちゃいけない。与えられたものなんだっていう気持ちを忘れないように」

神奈川から高知へ。プログラマーから農家へ。

農家になる以前は、神奈川県相模原市に暮らし、プログラマーの仕事をしていた明さん。2000年ごろから、近所に畑を借りて趣味で家庭菜園をはじめました。まったく知識のなかった農業を学ぶため、当時はまだ珍しかったインターネット上での農業研修を受講しました。高知県が主催する研修でした。

10年ほど家庭菜園をつづけるうちに、野菜だけでなくお米も育てるようになりました。3畝 ほどの田んぼを借り、不耕起自然農のお米づくり。手で植え、手で刈り、作物を育てる大変さを実感しながらも、農業で生きていけたら、という思いが芽生えはじめていました。

そのころ、おなじプログラマーの知人が高知で就農し、彼を訪ねる機会がありました。高知で農業。漠然と、でも内からたしかに、興味が湧いていました。以前から繋がりのあった県の職員の方に話を聞けば、今度東京で農業研修をやるから来てみたら? というお誘い。そうして研修に通えば、高知で農業始めませんか? と声をかけられて、導かれるように高知へ。四万十町の農業研修施設に住み込み、地域の農家さんのもとで一年間の研修を積みました。

明さんが研修を終えるころには、瑞枝さんも高知へ。ふたりで四万十町に家と畑を借り、今の暮らしにたどり着きました。

自分の手の届く範囲で、できることを

就農してすぐは、経営を成り立たせるため、生姜の慣行栽培をしていました。慣行の取引では買取価格が不安定なため、なるべく多く収穫できるよう、かなりの量の農薬を使う必要がありました。3年ほどその栽培を続けましたが、気持ちの違和感は大きくなるばかり。

「自分が本当にいいと思えるもの、人に食べてもらいたいと思えるものを育てよう。無理矢理ではなく、作物が育ちたいように」

そうして、利益や効率を求めた栽培を手放した吉田さん。自分の手の届く範囲を大切に、野菜は有機栽培で、お米は特別栽培(化学肥料は使わず、農薬は慣行栽培の5割減)で育てるようになりました。

「いまも作物を育てるうえでは、自分自身が食べたいと思えるかどうかを大切にしています。子や孫たちにも喜んでもらえるようなもの。自分や家族を大切にする気持ち、そんな真ん中にある思いが、食べてくださるかたにも、同じように伝わるといいなと思います」

高知に来てから、野菜も魚も肉も、食べものがおいしいことがなにより幸せだという明さん。食べることが幸せなら、人生の半分以上は幸せ。そう笑って話してくれました。

お届けするお米

恵菜ファームで育てているお米のひとつが「にこまる」です。どんなお料理にも合う、すっきりとした甘みのお米。夏の高温に比較的つよく、主に西日本で人気の品種です。冬の寒さも、夏の暑さも厳しい四万十町。寒暖差の大きい気候と、神ノ川の清らかで冷たい水が、お米の味わいを引き締めます。

恵菜ファームのにこまる

・産地
高知県四万十町
・品種
にこまる
・栽培基準
特別栽培農産物相当(化学合成農薬の使用成分回数、化学肥料由来の窒素成分量が栽培地域で慣行的に使用されているものの半分以下)
坂ノ途中の特別栽培についての考え方はこちら

 

季節とともに移りゆく色。
水や土、草花と生きもの。

にぎやかな田んぼの景色を一緒に育んでいきませんか。

おいしいお米を味わうことが田んぼとわたしたちの食卓をむすび、未来につづく農業や暮らしを考えるきっかけとなりますように。