暮らしのなかの小さな資源循環のお手伝い、野菜がめぐるコンポスト
毎月、坂ノ途中の自社農園や提携農家さんからの「坂ノ途中のおすそわけ」を一緒にお届けしています。

3月は京都の「北山杉の里」さんから分けていただいた「山椒の種」です。


山の恵み

京都市北部の京北で林業を営む清水哲夫さんと友里子さん。
北山杉、北山丸太を生産するかたわら、
山で柚子、ミョウガ、ワラビ、タラの芽、コシアブラ、たけのこ、しいたけ、などを、自然の力を借りるようにして成長を見守っています。

おすそわけの山椒の種はいろいろな品種が混ざっています。もとは自生していたもの、苗から育てて挿し木をしたもの、譲り受けて育てたもの。
山椒には花山椒、実山椒、葉山椒など、たくさんの種類があり、大きくなるまでどの種類かは分かりません。山の恵みがどんな山椒の樹になるのか、楽しみに育ててくださいね。

育て方

種蒔きは春。
雑草があると芽吹かないこともあるので、ある程度大きくなるまでは鉢で育てます。植木鉢かプランターを用意し、園芸用の土とコンポストを半々に混ぜて入れます(土だけだと根が詰まってしまいます)。

2cmくらいのくぼみをつくり、種を2、3粒入れて軽く土をかぶせます。
湿気を好むので、水やりはこまめに。日当たりも大切です。半日陰、日中の数時間だけ日が当たるような場所が最適です。

秋になるとやっと芽が出ます。
ピリッとした辛さからは想像がつきにくいですが、とても繊細な山椒。気候や土壌条件によっては発芽しないこともあり、発芽するのは半分くらいです(実山椒だと、実ができるようになるまで、5、6年かかります)。

冬になり、気温が下がって苗が5cmほどの大きさになったら株分けをします。
ひとつの株を、はさみや手を使って根ごと分割します。
根ごと分割して大きめの植木鉢に1本ずつ植え替えます。混み合った株を分けてあげることで、元気になります。

地面に植え替えるのは、苗が冬眠している冬に。ただし、土が凍っている間は避けてくださいね。10cm以上に育っていれば春に植え替えても大丈夫です。
植え替えるときは、地面に植木鉢がすっぽり入るくらいの穴を掘って、植木鉢の土ごと植えつけます。地面の土は、園芸用の土とコンポストを1対1ほどの割合で混ぜたものが良いでしょう。

収穫

山椒は実だけでなく、若芽、葉、花、樹皮も食べられます。
若芽や葉は、酢の物やお吸い物に入れても美味しいです。

花山椒は、香りがよく、山椒鍋などに使われます。あと佃煮にすることも。
実山椒は山椒味噌もおすすめ。洋風の味付けのお料理に加えると味がひきしまります。
葉山椒は葉の佃煮がよく知られていますね。

普段のお料理に香りを添えてくれる日本のハーブ、山椒。いろいろに楽しんでくださいね。

●矢野日和子