もうすぐ2月、冬の寒さにもずいぶん慣れてきました。でも、ひとつ悩みがあります。
蛇口から水が出ない!
できる限りの対策はしているのだけれど、そんな日もちらほら。凍る凍る。

そして、ついこのあいだ、朝一番に顔を洗おうと蛇口をひねると、水が弱々しく出るだけ。しばらくしたらぱったりと止まってしまいました。私の家だけじゃなくて、地域全域が同じ状態。断水です。数時間後には給水車の巡回がはじまりました。
「最近は水道管の凍結が頻発しています。空き家が多く、水道管が凍結して破裂しても修復されないままで、水が漏れっぱなし。給水用の配水池の水がなくなって断水したんです」
説明を聞いてびっくりしました。
暮らす人が少なくなった土地だから起きた問題。予想もしない出来事でした。

何年か前の夏の日、無人島となっている小さな島に滞在したことがあります。ひとつだけ残っている井戸が水源です。何日かおきに水を汲みに行くのですが、ベースキャンプまで重たいタンクを運ばなければなりません。水をできるだけ使わないことをすごく意識した経験でした。
島での数日間を普段の生活とくらべると、大きな違いは、なにをするにも時間がかかることです。水は汲みに行く。料理をつくるのは薪拾いからはじまる。どれくらい時間がかかるのか、どれほど必要か、どれくらい体力が奪われるのか、そんなことを考えながら体を動かすのが心地良いと感じる自分を知りました。感覚が冴えるってこういうことかなと。

夏の島の思い出に浸りながら、3日間の断水生活がおわりました。
山の水源は、近所の方が管理してくれています。
「クマが出そうなところやけど、行ってみたい?」と声をかけていただきました。
いったいどんなところから流れてきている水なんだろう。そこを見てみたい。
自分が暮らしているのはどんな場所なのか、きちんと知りたい。
冬、まだまだいろいろなことが起こりそうです。

●ますお

*最近のやまのあいだファーム
瀬戸内から持ち帰ったみかんの検品や、皮を剥いてジャムをつくる準備をしています。甘酸っぱい香りに包まれています。やまあいのみかんジャム、もうすぐ完成です。