unpack

2013年に坂ノ途中で仕事をはじめてから、朝から晩まで走りつづけてきた気がします。
農業をはじめるとき、今日はお休みとか、この日は仕事とか、そんなふうには考えない、農業が生活だと決めました。
入社のときに、大阪の実家を出て京都に転居。そこからは転々と住まいが変わり、しかも瀬戸内にまで仕事の拠点ができたので、まるで渡り鳥か放浪の民かという暮らし。
荷物をダンボールに詰め、開封する間もなく、また新しい住まいへと運ぶ。若いときは身軽だし、それでよかったのですが、年齢を重ねて、ときには身も心もひと息つきたい、そんな気持ちも出てきました。
去年に結婚したこともあって、やっとひとつ処に落ち着きそうです。あっちゃこっちゃに散らばってしまった心と荷物、今年はゆっくりと荷ほどきして整理していこうと思います。

●あかね


思い出すこと

夏は酷く暑かった。
あまりの暑さに、毎日4Lくらい水を飲んでいた。
そして冬。
厳しい寒さで、車のドアが凍結して開かなくなった。力まかせに引っ張るとドアノブが取れてしまった。
去年のことを振り返って、真っ先に思い出すのがそんなことばかりでちょっと悲しくなる。

気持ちをポジティブに切り替えて思い出したのが、去年から試験的にはじめた、やまのあいだファームの耕起栽培。やることなすこと、はじめてのことばかりで圧倒されてしまった。作物はもちろん、資材や農業機械、学ぶべきことが多い分、なんだかワクワクさせられた。
今年は、春までに育苗用のハウスを作り、管理機や資材用の倉庫を建てる、圃場の整備をする、夏に向けて灌水設備を整える、やることいっぱい──野菜じゃなくて、作業環境のことばかりだ。
1年を振り返ったとき、なんとかそこにいちばんに思い出せることがありますように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

●ケンゾー


変わるもの、変わらないも、どちらも楽しみ

畑仕事と大工仕事で、1日の大半を外で過ごすことが当たり前になりました。以前の仕事は室内。ずっと電球の光を浴びていたのですが、それとはまるで違います。そのときどき、天気によって、時間によって、光が変化するのを見ていられる。こんな面白いものを見逃すなんてもったいない、そんなふうに思うようになりました。

わたし自身も少し変わりました。筋力がアップした。仕事をしていて、「あ、重たくてこれは無理」と心のなかでつぶやくことが減りました。洗面台の前に立って、鏡に映る歯ブラシを持つ腕を見て、大きくなったねと声をかけたり。体が変わると、できること、できないことも変わってきますね。

今年は、そんな自分が見えたこと、気づけたこと、やまのあいだファームのことをノートに書き留める1年にしたいと思っています。2020年、いつも通りのこと、いつもと違うこと、どちらも楽しみたいです。

●ますお