「四季折々の風景やいきものに憧れて、こちらに来たんです」
沖縄出身の坂ノ途中スタッフ・比嘉さんにはじめて会ったとき、彼女はそんなことを言いました。
それを聞いて、私はなんだかふくざつな気持ちになったのを覚えています。

「むかしは、夏もこんなに暑くなかった」
「クリスマスはいつも雪、ホワイトクリスマスだったのに」
京都でもそんな話をよく耳にします。
このまま気温が上がっていったらどうなるんでしょうか。身近な例だけれど、やまのあいだファームの畑でお野菜を育てることなんてできなくなるかもしれない。

野菜を育てることは、気温の変化や日照時間に気をつけて行う仕事です。
今の時期、やまあいのある京都の旭町では、エンドウの種蒔きは11月15日頃がよいとされていました。でも、むかしにくらべて暖かくなっているということは、もう少し遅くに蒔いた方がいいのかな? なんて悩んでしまいます。とくに今年はずいぶん暖かいので……悩んでいるうちに12月になってしまいました。

みかんを育てている瀬戸内の大崎下島は、京都よりも暖かいので種蒔きの時期はかなり違っています。エンドウは、もう私の背丈くらいになって、収穫時期を迎えているものもあります。島では霜が降りないので、上手くいけばそのまま越冬できる年もあるそうです。
たまに畑を見に来てくれる島のタナカさんは、これからどんどん暖かくなるからと、台湾の農業を学ぶために、現地に通って研究しています。いつか、京都でも南国のフルーツを育てられるときがやってくるのでしょうか。昔から受け継がれてきた知恵を大事にしつつ、新しい環境に対応していくことが必要になるのかも。

今日は島でみかんの収穫をしています。
結局、エンドウの種蒔きを済ませないまま島に来てしまいました。帰ったらやらなきゃ。

来週は、ますおちゃんが島のレポートをしてくれるので、お楽しみに!

●あかね