ハマー(横浜美由紀)

先日、出荷担当の井上さんと話していると、「最近、薬膳の勉強をしている」とのこと。薬膳、興味はあるけれど、なんだか特殊な調味料やスパイスを用意しないといけないのでは……。少し調べてみると、陰と陽の食材があって、五行が関係していて……うーん、やっぱり難しそう。でも後日、井上さんにやさしく解説してもらううちに、あれ、薬膳ってなんだか楽しそう! 今回は意外と身近で、とっても初歩的な薬膳のお話です。

井上若奈(出荷担当)

薬膳というのは、季節・体質・症状・体調などに合わせて組み立てる献立のこと。食べものにはすべて何かしらの働きがあるので、それを理解して取り入れるのが薬膳の基本的な考え方です。
季節ごとに作物ができたり、食べ頃を迎えたりするのにはちゃんと意味があります。だから、自然のめぐりに体を合わせて、体の力を高めていくには、旬のものを食べるのが一番良い。

火鍋に使う八角とか、参鶏湯に使う棗(なつめ)とか、家にないものをわざわざ買わなくても大丈夫。大事なのは、自分がいま何を食べたいか。自分が欲しているものは、いま自分が必要としているものです。スーパーに行ったときに、『なんだか大根の煮物が食べたいな』『今日は白菜たっぷりの鍋の気分だな』とか、自分の体と向き合って考えてみると良いですよ。

これからの寒い時期におすすめなのは生姜。唐辛子を使った辛い料理も良いですが、汗をかいてそのあと体が冷えちゃうので、それよりもじんわりと長い時間、体をぽかぽかと温めてくれる生姜がおすすめです。
あと、大根や白菜などの冬野菜は、体に潤いを与えて消化を促す力があります。冬はお魚には脂がのるし、芋なども糖分が高くなる、さらに年末年始は胃が疲れる時期。そんな時に食べると、消化を助けてくれます。みぞれ鍋なんかも良いですね。消化にも良いし、忙しくてイライラしそうな時に食べるとホッとします。

私自身、前職の時は『おなかに入ればなんでも良いや』と思っていたのですが、ちゃんと自分の体と向き合うと、出汁で大根を煮てちょっと塩で味付けしただけのシンプルな料理でも体に染み渡って、『コレコレ!』ってなります。食べることを楽しむのが大事。難しく考えず、自分なりの薬膳を見つけてほしいです」