「芸術の秋」のひとつなのかもしれませんが、秋は映画鑑賞が似合う季節。最新の映画を映画館へ観に行くのも良いですが、過去の名作を辿ってみるのもまた良いもの。
そこで、坂ノ途中の映画好きスタッフたちに、料理や食事のシーンが印象的な映画について語ってもらいました。1950年代の白黒映画が出てきたりと、なかなか渋いチョイスも……!
私にとっての食事シーンが印象的な映画は、やっぱりジブリかなぁ。「ハウルの動く城」のベーコンエッグ、たまりません。
●ハマー(横浜美由紀)

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黒田珠未(お客さま窓口)

「お茶漬けの味」小津安二郎
この映画は倦怠期の中年夫婦のお話。妻は女友だちと自由気ままに遊んでばかり。仕事はできるけど質素な暮らしを好きな夫が何かと気に入らない。同性の私でも、妻のわがままっぷりを見ていると、夫に同情してしまうほど。
出てくる食事シーンは、グルメ映画のように食べ物を直接撮っているわけではないけれど、最後には「くぅー!お茶漬け最高……」と唸ってしまうことでしょう。
小津安二郎なりの女からみた男を描いているのかな。いつの時代も男女は男女であり、夫婦のあり様を描いている1本。秋にぜひ。

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中田拳太(出荷担当)

 

「たんぽぽ」伊丹十三
湯を沸かし、麺を茹で、麺とスープをどんぶりで絡ませる。具を乗せて、最後にナルトをそえる。僕の好きなラーメンの完成。
この作品は、簡単にできる身近な料理の物語。まずいラーメンを美味しいものにするために一から作り直していく姿は、最初は滑稽に見えますが、その一生懸命さにだんだんと応援をしたくなります。スープの味と香り、具材の色、そして食べる時の麺を啜る音。様々な要素で成り立っている、それがラーメン。そんな感覚が体に染み渡り、見ているとお腹が減ってくる映画です。

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藤田千絵(法人窓口)

 

「リトル・フォレスト」森淳一
都会から戻り、東北の小さな集落で暮らす主人公のいち子。自分で育てた米や野菜、身近な自然の恵みを活かして、日々の食べ物を手作りして暮らしています。
自家製パンや、獲れたてのグミの実で作るジャム。夏の農作業後はキンキンに冷えた甘酒を。揚げたてコロッケには自家製野菜仕込みのウスターソースをかけてペロリ。自然風景を写した映像や音楽、料理音が、どこまでも心地よい。
いち子が丁寧に作った料理を頬張るシーンは、なんだか香りまで漂ってきそうです。食欲の秋におすすめの映画です。

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