僕がはじめて訪れた外国がドミニカ共和国でした。
青年海外協力隊員に応募する人は、たいてい海外への渡航経験のある人です。僕の同期は220人くらいいましたが、それまで日本を出たことがないという隊員は僕を含めて10人ほどでした。
はじめて体験する外国での暮らし。もちろん、驚くことばかりでした。
・飛行機
ニューヨークを飛び立って4時間ほどのフライト。ラス・アメリカス国際空港に着陸したとたん、乗客全員が拍手をしました。
パイロットを信用していないのか、みんな命がけなのか、よくわからないけれど、この拍手はドミニカに降り立ったときの最初のカルチャーショックでした。
それからは、僕もドミニカ行きの飛行機が着いたときには、みんなと一緒に拍手をしています。
・挨拶
知っている人も多いかもしれませんが、挨拶はものすごく大事です。
出社したときは、すべての部署、すべての部屋に顔を出し、男性には握手、女性には軽くハグしてほっぺにチュ(頬を合わせて音を立てているだけです。この音を上手く出すのがすごく難しい)。そしてなにかひと言。女性に対しては、今日も可愛いね、きれいだね、みたいなことを普通に話します。
どれだけ遅刻しても、この挨拶は欠かさないです。
・雨/その1
赴任地が乾燥地帯で雨がほとんど降らない地域だったからかもしれませんが、雨が降ると大変です。
雨の日の朝、友人の家に行くと、いつもは学校に行っているはずの子どもがいるので、どうしたの? と訊ねると、雨が降っているからと。
傘をさして行けばいいじゃないと思いましたが、そういえば傘をさして歩いている人を見たことがなかった。
傘をさしてまで雨のなかを出歩かなくてもいい、そんな感じです。
・雨/その2
女性は髪の毛が濡れるのをとても嫌がります。濡れるとせっかくのパーマが取れてしまって、髪が縮れてしまうから。
だからみんな家でも基本的に髪を洗いません。毎週末にヘアサロンに通ってきれいにしています。直毛パーマらしいのですが、長時間かかるので、カーラー(?)を巻いたまま外を歩いている人をよく見かけました。
そうそう、雨が降って傘がないときは、女の人はビニール袋を被っています。
・シェア
食べものを必ず分けあいます。
友人のところを訪ねると、お前も食べろというふうに、自分の食べていたものをべつの皿に取り分けてくれます。
日本から「協力隊員」ということでやって来たのに、こういう優しさはたまらなく嬉しかったです。
「いつも同じものばかりで、でも残すとマミーがうるさいんだよ」とは言っていましたが。
・断水と停電
電気も水道もしょっちゅう止まっていました。
夜に停電が起きると、街中から悲鳴にも似たため息が響きます。
とくにみんなが大好きなメキシコの海外ドラマのときに停電しようものなら、舌打ちや、言ってはいけないような呪いの言葉が聞こえてきます。
そのぶん、停電が復旧したときは歓喜の声。
「llego la luz」ジェゴ・ラ・ルース! 電気が来た! そのまんまです。
でも僕は、電気が無いときにアルコールランプやロウソクだけで過ごす夜も好きでした。
日本では味わえない素敵な経験でした。
●まつい
※写真は、田舎の日曜日、カーラーを巻いた女性、満員にならないと出発しないバスです
※最近のやまのあいだファーム
やまあいのナスですが、ニジュウヤホシテントウという虫の被害に遭ったため、お疲れ気味の木を一旦休ませる更新剪定をしています。ある一定の高さで枝を切ってしまい、虫に食われた葉っぱもすべて落とし、新しい枝葉が出てくるのを待ちます。
丸裸になった木を見て、これ切りすぎてないかな、と心配になりましたが、順調に芽吹いてきました。
9月半ばごろからまた収穫が始まる予定です。美味しい秋ナスができますように。