あらいぶきっちんは、長岡京市にあるお豆腐屋さん。
農薬化学肥料不使用の国産大豆を使ってお豆腐を作り、おあげさんを揚げる油も農薬化学肥料不使用の国産菜種油。
シンプルで丁寧な豆腐作りを続ける理由をきいてきました!
お豆腐づくりをはじめた理由は? お豆腐屋さん「あらいぶきっちん」の成り立ち。材料のこと
小野:あらいぶきっちんさんが使ってらっしゃる大豆にしても油にしてもお金がかかってますよね。
ぜんぶ国産で、農薬化学肥料不使用なんて!かといって豆腐ってそこまで販売価格を高くもできないと思うし、しんどい戦いをしてはると思うんですけど、どんな経緯でお豆腐づくりをはじめられたんですか?
福田:実はぼくのお嫁さんのお父さんが先代なんです。
小野:ほ~そういうことなんですねー。
福田:もともと全然違う仕事をしてたんですけど、10年前に結婚したことをきかっけに豆腐屋を手伝うようになって。
最初はほんと気軽なもんで、ちょっと手伝ってみない? みたいな感じで(笑)
配達から手伝いはじめて、徐々に製造の方も教えてもらってるうちに、豆腐づくりやこだわりが面白くなってきたんです。
それと、喜んで受け取ってくれるお客さんを見て「うちの豆腐は求められてるんだな」と思って。
こんなに大事にしてくれてるお豆腐がなくなってしまうのは忍びないな、というのもあって、
求めてくれるお客さんがいる限りは継続していかなあかんなと。
それで継ぐことにきめました。
小野:ほー。なるほど。
福田:先代は当時では珍しい玄米菜食を学んでたんです。
アメリカで影響を受けて、日本に戻ってからは京都で有機野菜の販売などを行うグループの立ち上げをして。
それで、豆腐をつくるやつが周りにおらんということで、自分でつくろう! って思い立ったみたいです。
そのあと、影山製油所さんで修行させてもらって、「あらいぶきっちん」を立ち上げました。
スタートがそんな形なので、素材にこだわっていくというのは最初からずっと変わっていない姿勢ですね。
創業から国産大豆と油、天然のにがりを使ってました。
でも創業当時は安定して確保できないということもあり、農薬不使用ではなかったんですよ。
小野:どのタイミングで大豆と油は農薬不使用の原料に切り替わったたんですか?
福田:そうですね、徐々にですね。生産者さんとのご縁もありますし。
基本的に僕も先代もおいしいもの食べることが好きなんで、自分が食べておいしいものを作ろう! ってなったときに、農薬不使用に行き着いた感じですね。
おいしい! っていえる大豆を探していったら農薬化学肥料不使用のものになった、みたいな。
だからといってあんまり商品の値段も上げられないんですけど、協力してくださる農家さんとの出会いのおかげで、なんとかお求めやすい価格で安定して商品が作れています。
どんなお豆腐なの?昔ながらのシンプルなお豆腐づくり
小野:豆腐の作り方に特徴ってありますか?
福田:製法に関しては、ほんとにシンプルなつくりかたですね。特別なことはしてなくて。
小野:昔からの製法というかんじの?
福田:そうですね。豆腐作りって、本来シンプルなものだと思うんですよ。
それを人間が、日持ちや機械化を求めて、作りやすいように薬品を入れたりしてるだけで。
豆腐が豆腐でなくなるというか。
やっぱり、人の手が加わっていて温かみのあるものというか、誰が作っていて、どんなもの使っていてというのがわかることって大事だと思いますよね。
お豆腐を通して人との関わり。お客さんや、同世代のオーガニックに関わる人とのつながり
福田:今でこそ食に対して、そういった意識をするようになったんですけど、実は以前(違う仕事してたとき)は、全くそういうことには考えてなかったですけどね(笑)
小野:どんなお仕事されてたんですか?
福田:えっと(笑)不動産の営業をしてました。その前はホテルのサービスマンで。
小野:今と全然違いますね!
福田:やっぱり人と関わる仕事が好きかなーと。
今でも、日ごろは地味~に豆腐作ってるんですけど、外にでてお客さんとしゃべったりするのが好きですね。
作って売りに行って、「いつもおいしくいただいてます!」とか言ってもらえると毎日大変やけど頑張ろうって思いますね。
小野:遠くに売りにいくこともあるんですか?
福田:明日は大阪で、三重とか奈良にもマーケットに出展しに行きますね。
最近はけっこういろんなところでオーガニックのイベントがあるので、そういうのにちょこちょこと出ています。
小野:なんか、そういうシーンが盛り上がってくると嬉しいですよね。
福田:そうですね。でもそうやって外にでていくと、けっこう30代とか同世代の人が、オーガニックで野菜作ったりお茶作ったりとか、増えているなって思いますね。
小野:たしかに! それは思いますねー。
福田:今、農薬不使用の原料で豆腐作っている店ってうちくらいしかないんですよ。
なんでもうちょっとそういうお店が増えてきたらいいなと思いますね。
いつも何を食べてますか? お子さんのアレルギーがきっかけで選んだ安心できる食材
小野:普段の食生活とかってどんな感じなんですか?やっぱり豆腐中心ですか?
福田:豆腐は食べますねー!
でも実は長男がアレルギーなんですよ。豆腐も食べれなくて。
小野:え!!
福田:なので、豆腐食べるときは一人鍋してます(笑)
そういうこともあって、だいぶ食材を気にするようになりましたね。
子どものアレルギーは2ヶ月くらいから3歳まではひどかったんですけど、
薬とかは使いたくなかったんで、試行錯誤しながら野菜をいっぱい食べさせて、今はほんとによくなりましたね。
小野:食べ物でかわりますよね。
奥様:(うしろでお話を聞いていらっしゃった奥様が)でもおかげで、添加物なんかを与えずに育てることができたんです。
おやつも市販のものが食べれなかったり、給食も牛乳のまなくてよかったり・・・
小野:牛乳、けっこう問題になってますもんね。
福田:お野菜もほとんど宅配で、お肉も取り寄せたりして。放射能のこともあったので・・・。
小野:なるほどなるほど、では、ここは信頼してるっていうお店とかはありますか?
このあとしばらく、「美味しいお店」の紹介しあいで盛り上がりました。
楽しげにお気に入りのお店を挙げていくご夫婦は本人もおっしゃる通り、ほんとに「おいしいものが好き」なんだろうなーと納得しました。
店舗奥の工場では昔ながらの製法で豆腐と、お揚げが作られています。 店頭のショーケースには豆腐・お揚げ・湯葉・おからが並びます。 あらいぶきっちんの商品だけでなく、パンや調味料など体にやさしく安全、おいしい食品もいろいろ。
あらいぶきっちん(とうふ屋)
http://www.alive-kitchen.com/