青い空が澄み渡る、冬の日。
京都盆地の東にある、大文字山の頂上をめざした。
銀閣寺の裏道から歩きはじめると、すぐに街のにぎわいは遠のき、しずかな山の空気につつまれた。
ときおりすれ違うハイカーと挨拶を交わし、道を譲り合う。
会話の合間に、鳥の囀りがきこえる。
足元にうつる木漏れ日や、枯れ葉に目線を向けながら、一歩一歩、山道をすすんだ。
五山送り火で有名な火床に着き、京都の街の景色をぐるりと見渡す。
「あれ、鴨川ですね」
「京都タワーも見える」
百年前、ここからの眺めはどんなふうだっただろう。
百年後は、どんなふうになるのだろう。
背に感じる山の音や景色は、ずっと変わらないのかもしれない。
また少し歩いて、頂上へ。
切り株に腰かけ、温かい飲みもので乾杯をかわした。
あたらしい一年がはじまる。
また季節はめぐる。

坂ノ途中 日和について
一月から、月に一度、坂ノ途中の編集室のウェブマガジン「日和 びより」をお届けします。
お野菜をはじめ、わたしたちが取り扱うもののこと。生産者さんのこと。暮らしのこと。坂ノ途中のスタッフが今、どんなことを考えているのか。
そんなあれこれを、ありのままにみなさんにお伝えしていきます。
#in my little kitchen

尾道から、しまなみ海道を渡って、三つ目の島。広島県生口島の柑橘農家さんのもとを訪ねたのは、冬のはじまり。レモンが緑から黄へ、色づきはじめたころでした。
やわらかな草が足元を覆い、レモンの樹の上を見上げれば、ひろい空。樹に生るレモンは、大きいのや小さいの、皮のごつごつしたのや、つるつるしたの、黒い点々が付いたものや、かさぶたのあるもの、一つひとつちがう顔をしていました。
収穫をすこし手伝い、農家さんと立ち話。箱いっぱいのレモンと一緒に、またいくつかの橋を渡って、家路につきました。
目の覚めるような黄色がならび、いい香り。ながくたのしめるようにと、3種のレモンの調味料をつくりました。できあがった瓶をながめてうっとりするだけじゃなくて、おいしく食べきろう。
レモン塩糀
焼いたかぶに付けたり、ポテトサラダにしたり、キャベツを浅漬けにしたり。ビネガー、オイルと合わせて、いろいろな野菜のマリネやドレッシングにも。きのこのレモン塩糀リゾットもお気に入りです。
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スパイスはちみつレモン
はちみつレモンに、カルダモンやシナモンなど、お好きなスパイスを加えます。お湯で割ったり、ヨーグルトにかけたり。大きなレモンケーキを焼いたら、幸せなきもちになりました。
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お豆腐レモンマヨネーズ
卵なしの、さっぱり軽やかなマヨネーズです。茹でたブロッコリーやアレッタ、じゃがいもなどのお野菜、レモンのスライスといっしょにお皿に盛り付ければ、すてきな一品に。日持ちはしないので、食べきれる分だけつくります。
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文・武岡萌(レシピ/編集担当)
#お野菜、よもやま

「一年の計は元旦にあり」
そう言うとちょっと大げさかもしれませんが、坂ノ途中では、今年のお野菜の作付け計画をつくりはじめています。
どんな野菜を、いつ、どこで、どれくらい育てるか。価格はいくらか。それらを決めるのが、作付け計画です。半年ごとに、生産者さんといっしょに考え、この計画を立てています。そうはいっても、自然が相手。計画通りにいかないことは多々あるのですが……。
申し遅れましたが、わたし、古田は、「旬のお野菜セット」や「きほんのお野菜セット」の中身を考えているスタッフのひとりです。
お野菜セットをつくるにあたっても、作付け計画はたいせつ。お家で箱をあけたとき、よろこんでもらえるセットはどんなものだろうか。わたしも、あーとか、うーとか言いながら、野菜のことばかり考え、計画を練っています。
「ピーマンや甘とうがらしは夏から秋にかけてなが~く出荷がある。お届けしすぎたらみんな飽きてしまうかな? でも、たくさんあるもんなぁ。秋は熟してから収穫してもらったら、お料理に赤い彩りが加わって、いいかも」
「つるむらさき、個人的には大好きだけど、使いづらいという声もあるなあ…でもこのおいしさ、やっぱり伝えていきたい!思い切って、作付けの量を増やしてもらおう」
キッチンに立つお客さまと、畑で作業をする生産者さん、そのどちらとも、心のなかで対話している気分です。
上半期の作付け計画完成まで、もうひとがんばり。どうか、実り多き一年になりますように。
語り・古田佐恵子(はんそく/お野菜セット組担当)
#いいもの、ひとつ

絵本『おせち』
内田 有美 文・絵 満留 邦子 料理 三浦 康子 監修(福音館書店)
「おいしそう、きれいだな」と思って手に取ると、表紙のおせちは写真ではなく、やさしいタッチの絵。そっとページをめくるたび、おせちに込められた意味や願いが、じんわりと心にしみこんできます。


