野菜がめぐるコンポストと一緒にお届けしている、「坂ノ途中のおすそわけ」。
「坂ノ途中のおすそわけ」は、暮らしのなかの小さな資源循環のお手伝い。季節ごとに坂ノ途中の自社農園や提携農家さんからお届けするものです。

6月の坂ノ途中のおすそわけは、やまのあいだファームからのらぼう菜の種をお届けしました。
スタッフのあかねぽん・山崎茜がずっと種採りをしてきたものです。

あかねぽんによると、のらぼう菜の種蒔きの時期は8月のおわりから9月のはじめにかけて。夏の終わりのころ。
どんな風に育てたらいいか、こちらをご参考にしてくださいね。

 

のらぼう菜の育てかた




蒔き方は、すじ蒔きという方法です。土に薄くすじ(溝)をつくり、1cmほどの間隔を開けて1粒ずつ種を蒔いていきます。蒔きおわったら、2,3mmの厚さで土をかぶせます。

芽が出てくるまでは、こまめに水をあげましょう。芽が出たあとも、土が乾いてきたなと思ったら水やりをしてください。

4、5日くらいで、たくさんの芽が出てきます。しばらくしたら間引きの作業をします。目安はお隣さん同士で葉っぱが当たりはじめたら。あかねぽんは、あんまり当たりたくないですって言ってるような気がするそうです。

すじ蒔きにすると苗がきちんと並ぶので、育ち具合をくらべやすくなります。

間引きは、のらぼう菜の花を育てたいのなら小さい方を。でも、大きい方を間引いて食べるのも楽しいです。そのあとは、ちゃんと小さい方が育ってくれるから大丈夫。
こまめに間引きをして、20cmくらいの間隔にしてあげます。

のらぼう菜は、寒さに強いので、冬でも外で育ちます。冬を越えて暖かくなってくるとどんどん背が高くなり、3月くらいに菜の花の蕾をつけるようになります。

菜の花は、最初は真ん中の茎から伸びてくるのですが、先端から20cmくらいのところで折ってあげると、それからは真ん中の茎と葉っぱの間からつぎつぎに菜の花が出てきます。

気を付けたいのは日当たりのよいところで育てることと水やり。それと虫くらいです。菜の花好きの虫が食べているようだったら取ってください。

種採りをしたい方は、菜の花を摘み取らずにそのままにしておいてください。6月頃になると、種の入った莢ができます。それが枯れてカラカラに乾いたら、莢を割って種を採ります。そして夏の終わりに、種蒔き。

のらぼう菜の愉しみ

芽が出てすぐの柔らかい間引き菜、大きく育ってしっかりした葉っぱ、花を咲かせた菜の花、のらぼう菜はどれも美味しいです。それぞれの季節の味わいを楽しめます。
油と相性がいいので、炒めものがおすすめ。あかねぽんは、玉ネギとのらぼう菜を一緒に炒めて卵でとじるのが大好物だそうです。

育てて、食べて、そのゴミはコンポストで堆肥にする。堆肥で野菜を育てて、食べて……。
資源循環というと、どこか遠くで行われている大きなことのように聞こえますが、この小さなサイクルも立派な資源循環です。
のらぼう菜が教えてくれること、とても深くて、楽しいことです。

●文・石川凜/イラスト・福田真澄