山がとても美しいです。若木や若草の萌えるころ、やまのあいだファームでは、たくさんの生きものが姿をあらわします。

すこし前のことですが、瀬戸内で柑橘のようすを見てきました。畑というよりも山なので、草も木もどんどん生えてきています。はじめて訪れたときは、そのワイルドさにカルチャーショックを受けたくらい。ひどくなる前に刈らないと。
植えたレモンは、私の背丈を超えようとしています。月並みな言葉だけれど、わが子の成長を見るようで嬉しかったです。まわりの草を刈り、土が乾かないように木の周囲に分厚く敷いてやりました。そして、虫がいないか、病気にかかっていないかをチェック。
すると、てんとう虫が2匹と生まれたての蜘蛛の赤ちゃんたちが。てんとう虫はせかせかと歩き回って、アブラ虫を食べて回っているみたいです。蜘蛛の赤ちゃんたちは大きくなったら巣を作って、害虫を捕まえてくれます。
私が留守にしているあいだレモンをよろしくねと、託して帰ってきました。

やまのあいだファームにも気にかかることがあります。気持ちのよい晴天がつづくのは嬉しいけれども、雨が少ない。
「今年は水が少ない。雨も降らんし、冬の雪も少なかったから山にも水がないしなぁ」と、近所のおっちゃんが言っていました。
畑ではエンドウが不作。いつもならわさわさと大きくなるスナップエンドウも、今年はひょろひょろです。原因のひとつは、たぶん敷き草の不足です。去年、刈った草を畝の上に載せなかったせいで、保水と栄養分の還元ができず、ここしばらくの日照りが耐えられなかったのかもしれません。草を敷く、それだけのことが大きなことになって跳ね返ってきます。


それなのに雑草だけは元気いっぱい。毎日、草刈りで汗だくになります。夜はくたくたで動けなくなるほど。この季節は、ほかにもすることが多くて、朝から晩まで作業に追われます。この時期を乗り切ることで、カラダの芯が強くなっていくような気がします。
「草を刈って、畝に敷こう。積み重ねが大事」そんなふうに自分に言い聞かせています。
そして、瀬戸内の柑橘は虫にお願い。ケンゾーさんが悩まされたブトのような虫もいますが、畑を助けてくれる虫もたくさん。小さいけれど、働き者でとても頼りにしています。

●あかね

※上写真/レモンの木にいたきれいな虫。キイロトラカミキリ

※下写真/敷き草の反省をふまえて、先日植え付けたナスの畝にはしっかりと敷いてやりました