未来を、知ることはできない。
でも、動いていれば、次の景色は見えてくる。

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坂ノ途中の編集室のウェブマガジン「日和 びより」では、お野菜をはじめ、わたしたちが取り扱うもののこと。生産者さんのこと。暮らしのこと。坂ノ途中のスタッフが今、どんなことを考えているのか。
そんなあれこれを、ありのままにみなさんにお伝えしていきます。

 

#おいしいもの担当、よもやま

徳島で暮らすようになって、ヤギを飼いはじめました。
チャイ、チェル、おうどん、ちくわの4頭で、みんなメスです。神山町にある、祖父が所有していた土地で、草を食んだり、走り回ったり、自由気ままに過ごしています。

お乳を搾るわけでも、なにか商売をしているわけではなく、今はまだ飼っているだけ。けれど、同じくヤギを飼っている人と知り合ったり、牧草を育てるための畑を借りたり、ヤギがいることで、わたしの周りの景色は少しずつ変わってきています。

動物は、子どものころから好きでした。ほんとうは動物園の飼育員になりたかったのに、親に反対されてしまって(笑)大学を卒業する頃には、畜産や農業に関わる仕事がしたいと思うようになっていました。いったんは飲食店に就職したものの、届いた食材をつかって調理をするよりも、食材を生む現場(栽培や酪農)に近いところで働きたいと思い、坂ノ途中に入りました。

いまは「おいしいもの担当」の一人として、これはお客さまに届けたい! と思うような商品を探したり、仕入れたり、企画を考えたりしています。主に扱っているのは、卵や牛乳などの畜産品と、納豆や乾物などの加工品。

9月に発売した「坂ノ途中オリジナル 野菜とであうジェラート」の開発も担当しました。乳製品にはとくに興味があって、自分たちでもつくってみたいな、とずっと思っていたんです。ジェラートを開発する話が出たときは、わたしにやらせてください! と、自分でもびっくりするくらい強気で手を挙げました。

ジェラートにつかう牛乳と、ジェラートの製造は、広島県のサゴタニ牧農さんにお願いしました。坂ノ途中OnlineShopでヨーグルトを販売させてもらったときからのお付き合い。いっしょに何かつくりたいね、とずっと言ってくださっていたので、今だ! って。

とうもろこしとにんじんのフレーバーのもとになっているのは、群馬県の岩田農園さんのお野菜ペースト。岩田農園さんのとうもろこしは、毎年お取り寄せするくらい大ファンで。お野菜らしさはありつつ、とがった感じのない、いつ食べても「おいしいね」と笑顔になってもらえるジェラートになったと思います。

もちろん、難しいこともたくさんありました。コストの計算や、製造上の条件など……考えているだけではわからないことも、実際に動いてみると見えてくるんですよね。動くと、見える。また考えて、動く。

徳島でも、同じ感覚を味わっています。

ここで暮らす人々、動物、里山の自然と共にありながら、畜産をベースにした仕事で、ちゃんと食べていきたい。そんな未来をぼんやりと描いてはいるけれど、そこにたどり着くために何をすればいいのか、模索しつづけています。

冬には、オスのヤギを迎えて、お見合いをしてもらう予定です。こうやってチャレンジを繰り返していれば、きっとまた思いもよらない出会いがあったり、おもしろそうな話が舞い込んだりする。チャンスかも、と感じたら手を伸ばす、がスローガン。

今はまだ何者でもないけれど、自分が動けば、景色も変わる。
そのことをおもしろがりながら、また次の一歩を踏み出します。

語り・大荒里菜(おいしいもの担当)

坂ノ途中オリジナル 野菜とであうジェラート はこちら≫

 

#in my little kitchen

二十世紀や新甘泉で知られる梨の産地、鳥取。その山辺のまちに、わたしは暮らしている。夏の終わりから秋にかけてつづく梨のシーズンは、直売所がにぎやかで、もちろんそこへ買いに行くこともあるけれど、ありがたいことに頂くことも多い。

車屋さんへ行っても、美容院へ行っても。どうしてか帰り道に梨をずっしりと抱えている自分がいて、すこしおかしかった。そんな日常が、ありがたい。

そのまま食べるのが一番みずみずしいのだけれど、たくさんあるのでコンポートを炊いた。

つめたく冷やし、すだちをきゅっと絞って口に入れると、秋の風みたいな爽やかさがひろがった。

「和梨のコンポート」
レシピはこちら≫

文・武岡萌(レシピ/編集担当)

 

#いいもの、ひとつ

書籍『自分の仕事をつくる』
西村佳哲 著 出版元 筑摩書房

机、ノート、ペン、コップ、食べもの……私たちは、数え切れない他人の「仕事」に囲まれて生きている。

働くことについて考えるとき、本棚に手を伸ばし、なんども読み返している一冊。読むたび、心に留まる言葉はいろいろで、まわりの景色やじぶんの思考の変化にも気づかされる。

「いい仕事とは、嘘のない仕事を指すのかもしれない」

本にあるこの一言は、どんなときもじぶんに問いかけたいと思う。

 

文・日和編集チーム