先日、自家製の味噌が出来上がりました。

6月のはじめ、坂ノ途中の自社農場「やまのあいだファーム」に大豆を播きました。たっぷりの雨水を含み、発芽します。8月に枝豆として収穫することもできますが、大豆として収穫するのは暑さが落ち着く10月頃。
「収穫したら何をつくろうか?」
栽培に時間も手間もかかるものだから、収穫後もじっくり時間をかけて長く楽しみたい。醤油、味噌、豆乳、納豆、豆腐、油揚げ、きな粉……数ある大豆加工品の中で、今回は味噌をつくってみることにしました。 

最近日本酒に魅了されている私は、「麹」と「発酵」にも関心を持っています。少し調べてみて、その食文化の深さを再確認。同じく「麹」を使い「発酵」させる味噌を自分でつくってみたいという想いが強くなっていきました。大豆の収穫を待ちきれず、市販の大豆と米麹で味噌をつくってみることに。

味噌づくりに必要な材料は大豆、米麹、塩のみ。大豆を吸水させ、煮る、潰す。そこに塩と米麹を混ぜてしっかりこねる。容器に移したらあとはじっくり熟成するのを待つだけです。自分の手を動かすのは想像以上に楽しい。出来上がりが楽しみです。

4か月後
壺の中が気になっては、ぐっと我慢してきた。そんな愛着の沸いた味噌壺を開封することに。蓋を開けると、重石の重さで滲み出た、醤油のような味噌の上澄み液が見えました。その液体をすくいとり、表面を少し削ると、自分でも驚くほど綺麗な味噌が姿をあらわしました。

私は既にこの自家製味噌の虜です。熟成期間は4か月、白味噌のようなあっさりとした味わいで、味噌汁はもちろん、野菜の味噌炒めもとても美味しく仕上がります。家族や友達にも食べてもらいましたが、皆とてもおいしいと言ってくれました。 味噌が出来上がったときの感動、それを家族や友達と分かち合う喜びは何とも言いようのないものでした。

6月に「やまのあいだファーム」に播いた大豆。実は虫や鹿にほとんど食べられてしまいました。初めての栽培はなかなかうまくいきません。それでもなんとかお味噌をつくれる量の大豆が収穫できました。今年の冬はこの大豆で味噌を仕込もうと思っています。豆が違えば味噌も変わる。次はどんな味わいになるか、楽しみです。

●内藤由次