ぷりっとはじけそうな弾力。新鮮なマッシュルームを産地直送で
雄大な岩手山のふもと、岩手県八幡平市〈ジオファーム八幡平〉さんから、ぷりっと弾力ある食感に驚く、マッシュルームが届きました。
新鮮なマッシュルームは、肌がとってもなめらか。弾力があってみずみずしさを感じます。「馬ふん肥料」を栄養に、元気に育ったマッシュルーム。そのフレッシュさをお楽しみいただきたいので、産地直送でお届けします。
生でスライスしてサラダ、バター醤油焼き、ポタージュなど楽しみ方はさまざま。冷凍もできるので、余ったら冷凍して加熱調理に。いろいろなお料理でお楽しみください。
競走馬のセカンドキャリアの場に
「競走馬が引退したあとに活躍できる場所を作りたいんです」
ジオファーム八幡平スタッフの横浜さんは話します。
さらさらと風が通り抜けていく、気持ちのいい岩手山のふもとの牧場に、馬たちは住んでいます。ここにいるのは競走馬を引退した馬や、現役で休養中の馬たちです。
日本では、毎年約7,000頭ものサラブレッドが生まれ、きびしい競争の世界で戦っています。馬の寿命は20〜30年ほどですが、早ければ3歳ごろで引退します。その後のほうが馬生としてはとても長いのです。でも、種馬や乗用馬になれるのはわずか。飼育するにはお金も場所も必要なため、天寿を全うできる馬は多くありません。ジオファーム八幡平は「この馬たちを引き取って馬ふんから堆肥をつくり、マッシュルームを育てよう。そうすることで、馬たちのセカンドキャリア、ラストキャリアの場を作ろう」と2012年にスタートしました。いまでは約30頭の馬が活躍しています。
現在主流のマッシュルームの栽培方法は、19世紀ごろに確立されました。馬のふんはマッシュルームが育つのに適した状態で排出されるといわれ、世界中のマッシュルーム栽培で馬ふん肥がつかわれています。横浜さんも、なにか作物を栽培するなら馬とつながりの深いものをと考え、マッシュルームを育てはじめました。
「馬の堆肥がいちばんいい」
いい肥料は何かと高齢の農家さんに聞くと、こう返ってくることがあります。馬は昭和30年頃まで、農家さんの右腕でした。重たい農機具を引っ張ってくれる力強い存在であり、さらにふんを発酵させて「堆肥」にすると作物がよく育つことから、とても重宝されていたのです。けれど、農業がどんどん機械化されていき、農村から馬が消え、いまでは馬ふん堆肥は競争馬の産地や厩舎でないと入手が難しい、貴重なものになっています。
今日もひろびろとした牧場で、草を食みながら自由に歩きまわり、馬たちは「堆肥をつくる」仕事をしてくれています。
つくり手のこと
代表の船橋 慶延(ふなはし よしのぶ)さんは、高校生のときに乗馬のおもしろさを知り、障害飛越競技という馬術競技を始めました。馬に携わる数々の仕事を経験したあと、2012年にジオファーム八幡平を立ち上げました。いまでは、馬は約30頭。馬のお世話をする方、マッシュルームの栽培・出荷をする方など、約20人が働いています。
ジオファーム八幡平では、地域資源を生かした循環型農業を行っています。
▼地元の農家さんから藁を買って厩舎に敷き、そこに馬がふんをする
▼藁と馬ふんを一緒に回収
▼発酵させて「堆肥」を作る
▼堆肥を、マッシュルームの培地(きのこが生育する土台)に使う
▼マッシュルームを収穫
▼収穫後の培地は「廃菌床」と呼ばれ、きのこの栄養が詰まった肥料に
▼廃菌床がまた地元農家さんのもとで、肥料として使われる
海外から資源を調達することが多い日本だからこそ、地域資源が循環して作物を作り出し、その産物が循環していること、しかもその中心に引退馬がいて活躍している姿が、とてもまぶしく映りました。
「預かってほしいという相談は多いですが、場所の問題もあるので全ては引き受けられません。かならず馬主さんに会って話して、お引き受けするかどうか決めています」
お話の端々から、馬に対する真摯な姿勢が伝わってきました。ファームの方々はみなさん温かく、馬思い。草を食む馬たちのいる牧場を想像しながら、マッシュルームをお楽しみください。
商品企画・横澤のおすすめ
日本海から吹く冷たく湿った風は、隣県の秋田県や奥羽山脈で雨や雪(水分)を落とし、岩手山を越えて太平洋側のジオファーム八幡平に降りてきます。マッシュルームはハウスの中で育ちますが、ときどきこの冷涼で乾燥した外気にあてることで、引き締まった歯ごたえあるマッシュルームになります。
また、岩手山や八幡平など周辺の山々からの伏流水がベースとなっている「金沢清水」水系の良質な水で栽培しているため、雑味が少なく、香りの良いのが特長です。
|新鮮なうちはサラダに
生のままスライスしてサラダにするのがおすすめ。
オリーブオイルと塩だけで食べると、香りの良さが引き立ちます。
|冷凍したら、解凍せずにそのまま調理を
自然解凍させると、解凍のときにマッシュルーム内部の水分まで一緒に出てしまいます。冷凍マッシュルームは凍ったままお鍋やフライパンに。みずみずしさをあまり損なわずにお召し上がりいただけます。
マッシュルームのおいしいレシピ
うまみたっぷりの万能ソース。まろやかでしっかりとコクもあります。
パスタと絡めたり、ごはんにのせたり、
サラダのトッピングにしたり、お魚にかけたり。
いろいろなお料理でどうぞ。
マッシュルームの旨みがぎゅっと詰まったポタージュです。
お好みでバターや生クリームを加えても美味しいですよ。
ほかにも、マッシュルームのレシピをこちらでご紹介しています。
試してみてくださいね。
また手にとりたくなる野菜について
美味しく育つ、理由がある
日本の風土は多様です。
暖かな風と日光に恵まれたところ、ずっしりと雪が降り積もるところ、豊かな森と海に囲まれたところ――。
気候や地形、土壌によって、育つ作物もさまざまです。
その土地の特長を生かしながら、手をかけて育てられたお野菜は、うんと美味しい。
たとえば、瀬戸内海の無人島で日光をたっぷり浴びたまろやかなレモン、鳥取・大山のジンジンとする寒さのなかで甘みの増したキャベツ、対馬の海風を受け栄養を蓄えた原木で育った香り高いしいたけ。
「また手にとりたくなる野菜」では、そうした、美味しい背景、ストーリーをもったお野菜やくだものをお届けします。お料理をつくりながら、食卓を囲みながら、「農家さんはこんな人なんだって」「こういう場所で、こんな工夫で育てられているんだよ」「また食べたいね」そんな会話のきっかけにもなれば、とても嬉しいです。