野菜は生き物。そのブレを楽しむ暮らしを。
坂ノ途中で仕事をしていてつくづく思うのは、食べ物は生き物だということ。
生き物なので当然個性があります。
たとえば小松菜、姿を見ただけで育てた農家さんがわかります。
ピーマンにしても、夏はすくすく育っているので瑞々しくてジューシー。
秋はゆっくり生長するから果肉に厚みがあり、
じっくり火を通すとしみじみとした美味しさを感じられます。
そして、お野菜は、いくら丁寧に育てていても、どんな農家さんが育てたとしても、
たとえば長雨がつづいた後は水っぽく、美味しさはいつものようには感じられません。
お客さんにも、こういった季節の変化や野菜の個性を感じてほしい、
ブレを、楽しんでもらいたいと思っています。
万願寺とうがらしが肉厚になってきたら、
「あぁ、今年の夏も終わりだな」と感じてもらいたいし、
2月のダイコンにス(中身にすき間や穴が空いてスポンジ状になっている状態)が入っていたら
冬が終わるサイン、
「もうすぐ春が来るのね」ととらえてもらいたい。
もちろん、我慢して食べてくださいというつもりはありません。
スが入っていた際は、お手数ですがご連絡いただければ交換いたします。
ただ、「スが入っているかもしれないからまとめて出荷停止しよう、ダイコンは廃棄しよう」
となっている今の常識にとらわれずに、
季節の変化をお伝えしたいと思うのです。
流通の会社が、
効率性を重視したり、お客さんとのコミュニケーションを怖がって
少量不安定なものを敬遠するのをやめたら、
お客さんが、
農産物の生き物としてのブレを楽しんでくれるようになったら、
その社会って、なんというか粋だし、包容力があるし、
いまより相当に環境への負担が小さいと思うのです。
私たちは、そんな社会を目指したいと思っています。
ですので、ブレを感じられる定期宅配を、まずはご検討してみてください。
冬がはじまる味、夏が終わる味、曇り空がつづいた味。
だんだん体に滲み込んでいくと思います。
「今週のセットは、いまひとつだな」、
そんな週も、もしかするとあるかもしれません。
(できるだけ楽しんでいただけるよう、めっちゃ努力はしているのですが…)
だけど、
「今週のセットは、ほんっとにおいしい。明日からもっと前向きに生きられそう!」、
そんなふうに、元気になってもらえる週も、きっとあるはずです。