北海道の大地で育った、ほっくり甘いかぼちゃ
きめの細かいほくほくの食感、甘く濃厚な完熟かぼちゃを、秋のはじまりの北海道からお届けします。
四方を山々に囲まれたカルデラ状の地形をなす、北海道南西部の赤井川村。この村で農業を営む〈関野農場〉の関野拓也さんは、カルデラ盆地特有の、昼夜の寒暖差のある気候を生かし、甘みを蓄えたおいしいかぼちゃを育てています。
一玉ひと玉に手をかけ、完熟まで待って収穫した一番果をみなさまの食卓へ。
シンプルに焼いてオリーブオイルとお塩で。濃厚な甘みのかぼちゃスープや、ほこほこのかぼちゃコロッケにも。
秋にぴったりの、栗のような甘みをたんと味わってみてください。
おいしさを求めて。一番どりの完熟かぼちゃを
食べる人が感じる「おいしさ」を一番に考えて野菜を育てるという関野さん。土づくり、品種の選定、育苗から収穫、出荷まで、日々さまざまな選択が求められる農業ですが、営農とのバランスをとりながらも、おいしくつくることを何よりも優先しています。
たとえば、かぼちゃのツルの仕立て。通常の栽培では、1株に4から6玉の実をつけさせることが多いところ、関野さんは、半数の2から3玉までにとどめています。収穫量は減ってしまいますが、一つひとつの実に養分を集中させることで味わいが増し、とくに一番果には最も甘みが乗るといいます。
また収穫の時期には、かぼちゃの食感と甘みを考慮。未熟で収穫される夏どりかぼちゃも多いなか、ツルに生ったまま完熟するまで待って夏のおわりに収穫します。そこからさらに10日ほど置き、つよい陽ざしと朝晩の冷え込みによって蓄えたでんぷんが、ほどよく糖に変わるのを待って出荷します。
こうして大切に育てられた、一番どりの完熟かぼちゃ。関野さんにおすすめの食べ方を尋ねてみると、「オリーブオイルで焼いて、チーズやハーブソルトをかける。これが一番おいしいんです」と、自信を持って教えてくれました。
とろり、ほくっと濃厚な味わい、この秋試してみたい一品です。
つくり手のこと
関野農場 関野拓也さん・朋子さん(北海道赤井川村)
2000年、関野さんがまだ中学生だったころに、父母に連れられて家族で北海道・赤井川村日ノ出地区へ。何でも作ってみるというDIY精神で、家や小屋を自分たちの手で建て、その周囲に構えた圃場で、お父さまが有機農業をはじめられました。
関野さんは一度は家を離れていましたが、お父さまの病気をきっかけに赤井川村に戻り、2015年に就農。今はご夫婦で、4町ほどの畑と5棟のハウスを抱え、営農されています。
食べる人に喜んでもらえる野菜づくりを何より心がけているという関野さん。今回お届けするかぼちゃのほかにも、トマトやアスパラガスなど、どのお野菜も味わい豊かで、坂ノ途中スタッフからも信頼の厚い農家さんです。
保存のポイント
種やわたから傷みやすくなるので、取り除いておくと日持ちします。断面をラップでぴっちり包み、冷蔵庫の野菜室へ入れて、お早めにお召し上がりください。
かぼちゃのおいしいレシピ
かぼちゃとココナッツ、それぞれの甘みが重なるスープ。
すこしのお塩とピーナッツの香ばしさがアクセントになり、後を引く味わいです。
「子どもの大好物。この料理はお肉を入れない方が家族に人気なんですよ」と、レシピ担当の酒井さん。コロッケの美味しさを手軽に味わえるレシピです。
かぼちゃが届いたら、スイーツで楽しんでもいいですね。
豆乳を使い砂糖も控えめにし、かぼちゃの甘さを生かしたプリンです。素朴な味わいですが、カルダモンの風味がアクセントになっています。
イタリアではポピュラーなかぼちゃのニョッキ。
かぼちゃの甘みとクリームソースが濃厚で、ワインにもあう一品です。
ほかにも、ミニトマトのレシピをこちらでご紹介しています。
試してみてくださいね。
また手にとりたくなる野菜について
美味しく育つ、理由がある
日本の風土は多様です。
暖かな風と日光に恵まれたところ、ずっしりと雪が降り積もるところ、豊かな森と海に囲まれたところ――。
気候や地形、土壌によって、育つ作物もさまざまです。
その土地の特長を生かしながら、手をかけて育てられたお野菜は、うんと美味しい。
たとえば、瀬戸内海の無人島で日光をたっぷり浴びたまろやかなレモン、鳥取・大山のジンジンとする寒さのなかで甘みの増したキャベツ、対馬の海風を受け栄養を蓄えた原木で育った香り高いしいたけ。
「また手にとりたくなる野菜」では、そうした、美味しい背景、ストーリーをもったお野菜やくだものをお届けします。お料理をつくりながら、食卓を囲みながら、「農家さんはこんな人なんだって」「こういう場所で、こんな工夫で育てられているんだよ」「また食べたいね」そんな会話のきっかけにもなれば、とても嬉しいです。