果肉しっかり、濃い味わいの沖縄トマト
沖縄県北部に広がるミネラルを含んだ赤土のもと、甘酸っぱい味わいを引き出すように育てられたトマトをお届けします。
本来、トマトの旬といえば夏ですが、「南の島のトマト」の産地・沖縄県は冬から春にかけても最低気温が10度を下回らないという温暖な気候。その特性を活かし、冬のあいだもハウス内を加温せずにトマトの栽培をすることができます──ほかの地域でのこの時期のトマト栽培は、暖房をたいてハウス内の温度管理をしていることがほとんどです。
夏に比べると涼しい気温のなかでゆっくり育ったトマトは、皮が厚く、果肉もしっかりしていて、バランスのとれた旨みが感じられます。甘みがあって酸味もほどよく、生で食べても、加熱しても美味しくいただけます。
まずはそのままトマトらしい香りを味わって。冬は温かいスープやお鍋の具材にしたり、春めいてきたら春野菜とあわせてパスタにしたりと、軽く火を通していただくのもおすすめです。
大事なのは根っこ。赤土のもと厳しく育てる
南の島のトマトの生産者のおひとり、仙洞田 敦さんの畑があるのは、沖縄県名護市に位置する屋我地島。沖縄本島中南部から北部に広がる赤黄色の大地は「マージ」と呼ばれ、太古は大陸と陸続きだったといわれる土壌が残っています。土の赤色は、風化した岩石中の鉄分の酸化作用によるもの。もともとは栄養分の少ない痩せた土壌ですが、木材チップを繊維状につぶした資材などをすき込んで土壌改良を行ったり、水やりや肥料の管理をしっかり行って、作物の根の張りがつよくなるように手入れをしています。さらに、畑の風通しをよくする工夫も。冬の強い風が通り抜けることで、果皮が厚くなり、風味がしっかり詰まったトマトが育ちます。
トマトのおいしいレシピ
「南の島のトマト」と「淡路島の葉つき玉ねぎ」を主役にしたお野菜すき焼きです。お肉を入れなくても満足感のある食べごたえ。お好みで、しいたけや白菜、お豆腐などの具材を加えても美味しくいただけますよ。
トマトの旨みをシンプルに味わうパスタ。
器に盛り付けてから、ざく切りにしたフレッシュなトマトをたっぷりのせても美味しいです。
トマトの旨味が染み込んだ炊き込みごはん。しいたけとだしの香りがふわっと漂います。
ほかにも、トマトのレシピをこちらでご紹介しています。
試してみてくださいね。
また手にとりたくなる野菜について
美味しく育つ、理由がある
日本の風土は多様です。
暖かな風と日光に恵まれたところ、ずっしりと雪が降り積もるところ、豊かな森と海に囲まれたところ――。
気候や地形、土壌によって、育つ作物もさまざまです。
その土地の特長を生かしながら、手をかけて育てられたお野菜は、うんと美味しい。
たとえば、瀬戸内海の無人島で日光をたっぷり浴びたまろやかなレモン、鳥取・大山のジンジンとする寒さのなかで甘みの増したキャベツ、対馬の海風を受け栄養を蓄えた原木で育った香り高いしいたけ。
「また手にとりたくなる野菜」では、そうした、美味しい背景、ストーリーをもったお野菜やくだものをお届けします。お料理をつくりながら、食卓を囲みながら、「農家さんはこんな人なんだって」「こういう場所で、こんな工夫で育てられているんだよ」「また食べたいね」そんな会話のきっかけにもなれば、とても嬉しいです。