甘く、こっくり濃厚な枝豆
徳島県南部を流れる、鮎釣りで有名な清流、勝浦川。
その流域でお野菜を育てる〈トラスト〉岡田智明さんから、甘みとコクがたっぷりつまった枝豆が届きました。
「おいしくて忘れられない」お客さまからそんな声が届く、岡田さんの枝豆。茹でているときから、甘い香りがキッチンにひろがります。ふわふわ上がる湯気のなか、茹でたてを味わってみてください。こっくりと濃厚な、旬の味です。
ゆたかな水がはぐくむ枝豆
勝浦川の流域、勝浦盆地は、山に囲まれた地形から雨も多く、豊かな水に恵まれています。枝豆は、そのむかし「あぜ豆」と呼ばれ、水を張った田んぼのあぜに植えられていたほど水が大好き。坂ノ途中スタッフが今年6月に訪れたときにも雨を味方につけて、たわわに実をつけていました。
枝からさやをプチっととって「食べてみて」と岡田さん。枝豆を生で食べるのは初めての経験です。おそるおそる口に入れると……想像以上の甘みと味の濃さにびっくり。これが収穫期を見極めるポイントなのだそう。畑で味を確かめながら、お客さんにお届けするのに一番いいタイミングを見ています。
これまでさまざまな品種を試してきたといいます。量はたくさん取れなくても、味のいい品種を選び出し「おいしいものを食べてもらいたい」そんな思いで枝豆を育てています。
つくり手のこと
岡田さんのお父さんは、47年前にこの地で農業を始めました。農薬や肥料を使わず、自然のままに近い環境で、お野菜やお米を育てる。そんなお父さんのもとで育った岡田さんの遊び場は、もっぱら田んぼや畑でした。自然と触れ合うなかで、いつか農家を継ぎたいと考えるようになったそうです。学校を卒業し他の仕事も経験しながらも、気づけば農業の世界に飛び込んでいました。
「365日ずっと働いてきたわ」と笑顔で話す岡田さん。勝浦町も高齢化が進み、次々と畑が空いていっています。周囲の人から頼られて次々に譲り受け、いまでは畑は2ヘクタールほどの広さに。冬は葉物野菜、夏は枝豆を中心に、さまざまなお野菜を育てています。
仕事はどんどん多忙になりましたが、法人化も叶え、いまは次の夢を描いているそう。
「県内の農家のコンサルティングや経営支援など、やってみたいことはいろいろあります。あと、食育も。実は既に2か所の保育園に、うちのお米を届けてるんです」
岡田さんのお米は、園児たちにも人気で、ごはんを食べる量がぐっと増えたのだそうです。子どもたちにいいお野菜を届けたい。お客さんにおいしいものを食べてもらいたい。農家さんや地域の力にもなりたい。岡田さんの思いが、ひとつひとつのさやのなかにも詰まっています。
お客さまのお声
甘みとコクがたっぷりつまった枝豆でした。普段は茹でることが多いのですが、焼き枝豆に。口に入れた瞬間に広がる豆本来の風味、旨味に驚かされます。茹で枝豆よりもほっこり香ばしく仕上がり、冷めても香ばしさが消えない!とても美味しかったです。(坂ノ途中アンバサダー @ichico2 さん)
枝豆のおいしいレシピ
また手にとりたくなる野菜について
美味しく育つ、理由がある
日本の風土は多様です。
暖かな風と日光に恵まれたところ、ずっしりと雪が降り積もるところ、豊かな森と海に囲まれたところ――。
気候や地形、土壌によって、育つ作物もさまざまです。
その土地の特長を生かしながら、手をかけて育てられたお野菜は、うんと美味しい。
たとえば、瀬戸内海の無人島で日光をたっぷり浴びたまろやかなレモン、鳥取・大山のジンジンとする寒さのなかで甘みの増したキャベツ、対馬の海風を受け栄養を蓄えた原木で育った香り高いしいたけ。
「また手にとりたくなる野菜」では、そうした、美味しい背景、ストーリーをもったお野菜やくだものをお届けします。お料理をつくりながら、食卓を囲みながら、「農家さんはこんな人なんだって」「こういう場所で、こんな工夫で育てられているんだよ」「また食べたいね」そんな会話のきっかけにもなれば、とても嬉しいです。