新緑と楽しみたい爽やかなワイン
新緑のまぶしい初夏の訪れを、食事とこのワインで楽しみたい。そんなイメージで選んだ2本です。
昨年同じ時期にお届けし好評だったセットを、今年もご用意しました。
1本目は、ポルトガルで5月に咲く黄色い花「マイア」から名付けられた白ワイン。グレープフルーツを思わせる爽やかな香りがあります。
2本目の赤ワインは、フランス語で「花開く」を意味する「フルーリー」という村のワイン。個性的な香りながら、柔らかくなめらかで飲みやすく、身体に染み入るような滋味深い味わい。どちらのワインも、気温が上がってくるこの時期には、少し冷やして飲むのもおすすめです。
暑くなってきて、爽やかなワインが似合う季節がやってきました。さらりとしているのに、しっかりとブドウの個性を感じられる味わい深さもある2本。今年も初夏の訪れを、このワインとともに楽しんでいただけたらうれしいです。
●吉村友希(ワイン担当)
1| キンタ・ダス・マイアス ダン ホワイト(白ワイン)
産地:ポルトガル ダン地方
ヴィンテージ(ブドウの収穫年):2021年
ブドウの品種:マルヴァジア・フィナ、ヴェルデーリョ、エンクルザード、セルシアル
ワイナリー:キンタ・ダス・マイアス
ブドウの栽培:現地有機認証取得(EUビオ認定)
ポルトガルから届いた今回の白ワイン。ボトルに描かれているのは、日本での桜のように人びとから愛されている花・マイア(エニシダ)です。5月になるとポルトガル全土でこの花が咲きほこります。マイアの花から名づけたワイナリー、キンタ・ダス・マイアスの周辺でも、シーズンになるとこの花が見られます。
キンタ・ダス・マイアスの畑は、ダン地方のなかでも標高の高い場所にあるので、熟成された味わいながら酸があり、初夏を感じさせるフレッシュな味わいです。栓を抜いたときの良い香りもお楽しみください。
|つくり手のこと
ポルトガル中北部のダン地方は、伝統的なワイン産地。周囲を山に囲まれた標高の高い盆地です。ワイナリーのキンタ・ダス・マイアスは、ポルトガル本土の最高峰セラ・デ・エストレラ(星の山)のふもと、ワイン畑としてはとりわけ標高の高い場所に位置します。ここで育つブドウは、日中の強い日差しの下で生育が進むことで糖度が上がり、いっぽうで夜には涼しい風が山から吹きおろして気温が下がるため、酸を保ちながら成熟していきます。その結果、熟成感がありながらも爽やかな酸味を感じる、この土地ならではの味わいのワインを造ることができるのです。
キンタ・ダス・マイアスは、1893年から続く伝統あるワイン生産者。ダン地方を代表するワイナリーです。EUオーガニック(ユーロリーフ)の認証を取得し、環境に配慮しながらブドウづくりをしています。現当主のルイス・ローレンスさんは、3月にお届けしたワインのワイナリー、キンタ・ドス・ロケスも運営しています。ダン中央部に位置するキンタ・ドス・ロケスと比べて、標高が高いところにあるキンタ・ダス・マイアスは、同じダンワインでもスタイルが異なり、冷涼な気候を反映した爽やかな酸味が特徴です。
|おすすめのレシピ
香りだけでも爽やかな気持ちになれる今回の白ワインには、合わせるお料理もみずみずしさいっぱいの一品を。マリネやサラダなどがぴったりです。空豆やインゲン、スナップエンドウなど初夏のお野菜を、新たまねぎでつくったドレッシングに和えていただいてください。
2| ドメーヌ ジュベール フルーリー ヴィエーユ・ヴィーニュ(赤ワイン)
産地:フランス ブルゴーニュ地方 ボジョレ地区 フルーリー村
ヴィンテージ(ブドウの収穫年):2020年
ブドウの品種:ガメイ100%
ワイナリー:ドメーヌ ジュベール
ブドウの栽培:有機認証(ECOCERT)取得
近年よく耳にする「ヴァン・ナチュール」や「自然派ワイン」。フランスでは昨年、ヴァン・ナチュール協会が設立され認定がはじまりましたが、その数はまだ僅かです。
「自然によりそって造られるワインとして一番に頭に浮かぶのは、ドメーヌ・ジュベールですね」と、ワイン選びのパートナー木下インターナショナルさんがおすすめしてくださったのが今回のワイン。フルーリー(フランス語で「花開く」)は、このワインのブドウを育てる村の名前です。亜硫酸を使用せずに仕上げたワインは、個性的ながら心地よい、体に染み込むような味わいで、さらさらと飲みやすく食事がすすみます。開栓してグラスに注いだら、グラスをまわして液体を空気に触れさせると、ワインが開いて華やかな香りが楽しめますよ。
|つくり手のこと
ドメーヌ・ジュベールは、オーガニックの認定を有するブドウの栽培に始まり、亜硫酸を使用せずに仕上げるところまで、一貫して自然の力を大切にしたワイン造りをしています。手がけるのは、マルセル・ジュベールさんとカレン・ジュベールさん親子。ワインの生産者さんたちは、よく「亜硫酸なしでのワイン造りは野球でいえばホームランか空振り三振するようなイチかバチかの行為」だと言います。亜硫酸はワインの酸化や雑菌の繁殖を防ぐために、一般的に使われているもの。それを使用しないワインは酸化しやすく、またバクテリアによる汚染が進みやすくなります。そのため、ブドウの栽培から醸造時の衛生管理まで、高度な技術が求められます。それを失敗なく毎年つづけて、見事な味に仕上げられるのは、ジュベール親子だからこそ。絶え間ない挑戦から得られる経験にさせられた技術をもった生産者なのです。
ボジョレと聞くと、日本人はボジョレヌーヴォーをイメージします。ヌーヴォーとは「その年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワイン」のこと。ですがフランスでは、さまざまなボジョレワインがレストランやビストロに並んでいます。「フルーリー」は、ボジョレ地区にある村の名前。このように村の名前を冠したものは「クリュ・ボジョレ」と言われ、ワンランク上のボジョレと位置付けられます。ブルゴーニュやボルドーなどの有名な産地のものと並ぶトップクラスのワインなのです。
ボジョレの赤ワインは、どこかあたたかさを感じる味わい。気温が上がる5月には、すこし冷やして楽しむのもおすすめ。ヌーヴォーだけでない、ボジョレワインの魅力を味わってください。
|おすすめのレシピ
するするっと溶けていくような軽さと個性を合わせもったこのワインには、オイルが絡んだお野菜の料理がおすすめ。ベビーリーフに熱したごま油をさっとかけた温サラダは、今回の一本との相性も抜群です。
商品詳細
■キンタ・ダス・マイアス ダン ホワイト
・品名 ワイン
・原産国 ポルトガル
・内容量 750ml
・アルコール分 12.5%
・添加物 酸化防止剤(亜硫酸塩)
■ドメーヌ ジュベール フルーリー ヴィエーユ・ヴィーニュ
・品名 ワイン
・原産国 フランス
・内容量 750ml
・アルコール分 12.5%
・注意事項 このワインは酸化防止剤無添加で造られています。発酵中に自然発生する亜硫酸は微量に含まれます