山辺の畑から、自然な味わいの種ありぶどうを
ぶどうが本来持つ力を生かした、豊かな甘みや香りを味わえる種ありぶどう。山口県周南市にある、葡萄畑ふくじろうの福本直樹さん・梓さんの山辺の畑から、朝採れを産地直送でお届けします。
福本さんご夫妻の畑は、山に守られているような穏やかな場所にあり、ぶどうの木々の枝は伸びやか。すぐそばには川が流れ、ぶどうの栽培に適した水はけのいい土壌をつくっています。標高が高いことから夏でも朝晩は涼しく、とくに収穫がはじまる8月の半ばすぎからは気温がぐっと下がります。昼夜の寒暖差によって、一粒ひと粒の甘みがぎゅっと濃いぶどうが育つのです。
今回は、約15品種のぶどうのなかから、収穫時期にあわせて3品種ほどを詰め合わせに。小粒や不揃いな房も合わせて、5~9房ほどが入ります。
こくのある甘みのブラックオリンピアや、香り良く酸味が穏やかな安芸クイーン、爽やかな香りと甘みのゴールドフィンガーなど。食べくらべて、味わいや香りの違いもお楽しみください。
木の力を生かして育てる、種ありぶどう
お届けするのは、自然に寄り添ってゆっくりと育った、甘味の濃い、種ありのぶどうです。
人気の種なしぶどうを育てつつ、種ありぶどうの栽培にも挑戦している葡萄畑ふくじろうの福本さん。地元の直売所に両方を並べると、種なしばかりが人気で、種ありはほとんど売れないと苦笑い。けれど、種ありこそが、大切な人に食べてほしいぶどうだといいます。
栽培における大きな違いは、ジベレリンという植物ホルモン剤の使用の有無。種なしぶどうの栽培では、ぶどうの花が満開になる時期と小さな房をつける時期の2回、ジベレリンに浸す作業を行うことで、ぶどうの種子形成を妨げ、果粒が大きくなるのを促します。一般的には、種のない大粒のぶどうが好まれるため、多くのぶどう農家さんはこの作業を行っています。
福本さんは、畑やまわりの山、川に棲む多様な生きものとの共存を目指し、化学合成農薬・化学肥料を一切使わない種ありぶどうの栽培に挑戦しています。
土づくりには、ぶどうの実を発酵させたものや、剪定枝を炭にしたものも活用し、循環を大切に。育てている品種は、種ありでも作りやすい、昔ながらのものが中心です。
ジベレリンを使わない代わりに、ぶどうの実が自然に育つよう、木の様子を一本一本見て回り、木のご機嫌を伺いながら、枝を誘引したり、必要に応じて肥料を与えたり、お世話をします。そんなふうに寄り添い育てたぶどうの枝や房は、しなやかで柔らか。実の大きさは不揃いながらも、ゆっくりと育つぶん、濃い甘みが詰まっています。
種ありぶどうのおいしさを、どうぞ味わってみてください。

木の剪定枝を炭にしてまた畑へ
つくり手のこと
葡萄畑ふくじろう 福本直樹さん・梓さん(山口県周南市)
ぶどう農家になる前は、大阪に暮らし公務員として勤めていた直樹さん。そのころは、仕事に疑問を抱きながら悶々とした日々を送っていたといいます。そんなとき、梓さんに連れられた畑での農作業が農の道へとすすむきっかけに。土に触っていると、どんどん心が軽くなっていったのです。
けれど、当時は野菜があまり好きではなく、小さい子どももいたため、農業を仕事にすることには不安がありました。そこで梓さんに差し出されたのが、ぶどう栽培の本。これなら自分に合っているかもしれない、なにより大好きなぶどうなら、続けていけるのではないか、どこからか確信のようなものを感じました。
決めてからはもう、やることしか考えなかったという直樹さん。大阪から近い産地で就農先を探すなかで、今の場所へとたどり着きました。廃園となり荒れていた畑をととのえてぶどうの苗を植え、梓さんとふたりで〈葡萄畑ふくじろう〉を始めました。
当初は、研修先での指導のとおりに農薬を使うこともありましたが、劇薬と書かれたものをぶどうに撒き、それが子どもの口に入ること、生きものを簡単に殺してしまうような薬品に抵抗を感じるようになり、ぶどうの木の力を信じて、現在の農法へと転換していきました。
とくに、種ありぶどうの栽培は、毎年新しい課題の連続。次の年はより品質がよくなるようにと、一本一本の木と向き合い、不調の原因を探ります。より安定して育てられるようになれば、子どもたちが種ありのぶどうについて学ぶ機会を作るなど、まわりにもっと目を向けていきたい、とこれからの考えも話してくれました。
お届け予定の品種
食べごろを迎えた3品種ほどを詰め合わせてお届けします。
黒系:ブラックオリンピア、紫玉
赤系:安芸クイーン
白系:ゴールドフィンガー、ハニービーナス
※生育状態によって変更になる可能性がございます。あらかじめご了承ください
ぶどうの品種ごとの特徴をご紹介します。
【黒系】
・ブラックオリンピア
種ありの栽培にも適した品種。濃厚な甘みと酸味が感じられます。
・紫玉(しぎょく)
小粒ですが、甘味の酸味のバランスがよく、ぎゅっと濃縮されたコクのある味わいがお楽しみいただけます。
【赤系】
・安芸クイーン
甘い香りを醸し出す、鮮やかな紅色のぶどう。一本の樹につける実の数をギリギリまで減らすことで、その色づきと味わいを引き出しています。
【白系】
・ゴールドフィンガー
やや細長い粒の形をした黄緑色のぶどう。葡萄畑ふくじろうで育てるほかの品種とくらべても抜群の甘さです。
・ハニービーナス
紅瑞宝にオリンピアをかけ合わせた、粒が大きく、糖度が高い品種です。
ご注意点(ご注文前に必ずご確認ください)
■お届けについて
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また手にとりたくなる野菜について
美味しく育つ、理由がある
日本の風土は多様です。
暖かな風と日光に恵まれたところ、ずっしりと雪が降り積もるところ、豊かな森と海に囲まれたところ――。
気候や地形、土壌によって、育つ作物もさまざまです。
その土地の特長を生かしながら、手をかけて育てられたお野菜は、うんと美味しい。
たとえば、瀬戸内海の無人島で日光をたっぷり浴びたまろやかなレモン、鳥取・大山のジンジンとする寒さのなかで甘みの増したキャベツ、対馬の海風を受け栄養を蓄えた原木で育った香り高いしいたけ。
「また手にとりたくなる野菜」では、そうした、美味しい背景、ストーリーをもったお野菜やくだものをお届けします。お料理をつくりながら、食卓を囲みながら、「農家さんはこんな人なんだって」「こういう場所で、こんな工夫で育てられているんだよ」「また食べたいね」そんな会話のきっかけにもなれば、とても嬉しいです。